大阪から東京に引っ越して30年以上経つが、じわじわと蓄積されてきた驚きがついに閾値を超えたので筆を執った次第である。正確には「ポメラ DM250を起動してmenuキーを押して新規作成を選んだ」のだが、ポメラを持っていなかったら、さらに驚きが蓄積され…
ウグイスといえば、かわいらしい鳴き声で春の到来を告げる鳥であることはご存知のとおりである。ウグイス的にはべつに人間に春が来たことを知らせたくて鳴いてはいないのだが、人間はウグイスの鳴き声を聞いて春が来たと感じて、勝手にうれしい気持ちになる…
アルコールが苦手で、飲酒する人の習慣がわからないまま半世紀以上生きてきた。とくにわからなかったのが「おつまみ」という概念である。otsumami……omotenashiの親戚のような語感。おかずでもなく主食でもない謎の存在。非アルコールの領域でこの「おつまみ…
2ヶ月くらい前に玄関で蚊が飛んでいるのを認知するとともに殺害を試みたが、荷物をおろす前だったので動きが緩慢すぎて失敗した。運のよいやつだ。しばらく経ってからまた出会ったので、まだいたのか、早く帰ってほしいと思ったが、退路を塞いだのはわたし…
旧志免鉱業所竪坑櫓について知ったのは2005年、ワンダーJAPANの創刊号の表紙から。 冊子は出てすぐ購入したのだが、威圧感たっぷりの表紙だけで十分元をとった気になって、あまり読まずに本棚にしまいつつ、志免炭鉱跡にいつか行きたいとの思いを持ちつ…
銚子を旅するとき、JR銚子駅から銚子電鉄に乗って犬吠埼まで行く人が多いと思うし、実際に行ってみるまではわたしも同じイメージを持っていた。しかし調べてみると、徒歩なら直線距離で1時間程度。海沿いに激しく寄り道しながら歩いても3時間程度で着き…
買い物をしたときにレジで何とあいさつすればよいのかについて、少なくともわたしの中で明確な結論が出ましたのでご笑納いただきたい。飲食店での「ごちそうさまでした」に相当するフレーズを編み出すのに苦労したが、結論を出すのにここまで時間をかける必…
年末年始に銚子に行ってきて大変感動したので何回かに分けて紹介させていただきたい。 謎のオブジェのチラリズム 銚子電鉄の終点は外川だが、手前の犬吠で降りる人が多い。観光客にとって銚子≒犬吠埼なので、ノーマルな観光客は犬吠止まりなのかもしれない。…
実家を出て30年以上経つが、きょうまでエアコンのフィルターの掃除をしたことがなかった。エアコンのフィルターを掃除すると効果が段違いであるという話はインターネットの黎明期から何度も目にしてきたのだが、今でいう「秒で消える唐揚げ」などと同様だ…
「そうだ、西葛西に住もう」 2023年になってしまうと書きづらいので、2021~2022年の年末年始の話を書いておきたい。 遠くに旅行に行くような気分でもなかったが家でゴロゴロすることも望まなかったので、どこかに住む感じにしたいと思った。東京湾沿いに暮…
たとえば東京都民が本州を離れて沖縄の離島を旅すれば、建築がまったく本州のそれと異なり、同じ日本語圏なのに本州の文化とはぜんぜん違う異国に来たときのような感動を覚えるはずだが、本州を旅するときはどうだろう。沖縄でのような異文化との出会いは想…
風景の中にアートが潜んでいるみたいなのが好きなのだが、アートにあまり詳しくないのでどこに潜んでいるかよく知らない。知っていたら知っていたで、驚きがなくて興ざめしてしまうかもしれないので、このままでもいいのかなと思っている。 以前、太宰府天満…
東京にきて30年以上経ったが、立川によく行くようになったのは7~8年ほど前、多摩ニュータウンに引っ越してからのこと。東中野に住んでいたころは、買い物といえば新宿や渋谷だったので、立川に行くきっかけがなかった。立川という町のことをよく知らず…
セルフうどん店でカレーうどんを食べながら、「いつも同じ店でごはんを食べる人は老化で前頭葉機能が低下している」という主旨の記事を見て、あまりにも当てはまりすぎて認めるのがつらかったので、反射的にサバサバしている女の漫画を読んでしまった。サバ…
稲城に日本陸軍の火薬工場(造兵廠火工廠板橋製造所多摩分工場)の遺跡があると知ったのは多摩ニュータウンに引っ越してきてからのことで、はるばる猿島まで行かなくても旧日本軍の遺跡が見られてよいと思ったが、いまは米軍のレクリエーション施設になって…
金木犀の臭いが苦手な理由はひとつではなくて、幼きころに好きだったため、木に顔をつっこんで何度も深呼吸しているうちに気持ち悪くなってしまったことが最初の記憶で、乗り物酔いをしやすい方で、バスやタクシーの芳香剤の香りによって酔ったときの気持ち…
東京都多摩市に住んでいるが、ここ2年で仕事以外で都心に行くことがほとんどなくなってしまった。それより前から徐々に店頭での買い物から通販に移行していたのだが、疫病が蔓延するようになってから、ホットスポットであるところの23区へのハードルが格…
大阪の実家を出てから梨をほとんど食べなくなってしまった。高校生のころまでは、わたしは自分のことを梨大好きマンだと思っていたのだが、ふりかえってみると、皮を剥かれて八等分されて楊枝が添えられた梨が秋の始まりとともに食後に自動的に出てくるのが…
日に日に秋の気配が濃くなりつつあるというのに今さらひまわりの話なんて意味あるのと思われた方もいらっしゃるかもしれないが、少なくともスーパーの肉についているパセリの写真のフィルム程度の意味は有していると確信している。ひまわりは咲き終わってか…
われわれにとって煎茶は水に準ずるあたりまえの存在であって、好き嫌いの対象ではない。 もしあなたが港町を歩いている途中でウニの養殖場を見かけたりしたら、キャベツをもりもり食べているウニをうっとりと眺め、「これを割ったら橙色の濃厚なおいしいやつ…
きょうは椅子が低すぎたことに気づいた話をしたいが、特筆すべきドラマなどは特になくて申し訳ない。 椅子が低すぎたことが発覚したのはキーボードの傾斜問題が発端だった 先日、「キーボードの傾斜は実は意味がない」という趣旨の記事を見かけた。そんなは…
" data-en-clipboard="true">いまから白身魚のフライが好きという話をしたいし、エビやアジのフライにしか興味がない方はこっち(どっち?)に来てほしい。ただ白身魚のフライについての意外な情報のようなものはこれを読み進めたところでどこにも書いていな…
「ありがた山」と呼ばれている山がある。そのスピリッチャルな響きで、舌の奥に苦いものが走るかもしれないが、今から書く文および写真がそれ以上の驚きをもたらすことを保証する。その山の名前は、豊島区駒込にあった大量の無縁仏が昭和10年代に運びこまれ…
ここ2ヶ月程度、外出といえば近所への散歩しか選択肢はなかったはずである。 この間に近所の気になるところはすべて網羅して、緊急事態の終わりにあたっては、「遠出できない暮らしも悪くなかったな……」と感慨に耽っていたはずである……が、わたしは行き残し…
旅行やお出かけができないときは、近所の散歩の範疇でエンジョイすることになる。すぐ思いつくのは公園だけれど、公園もそれなりに人がいて、social distance的にどうなのと思うこともあるし、そもそも、人が少ないことが公園のよさでもあるので、人の多い時…
話が長くなるので最初に製法についてまとめておきます。 【材料】 牛乳:200cc 砂糖:大さじ4杯 紅茶:10グラム クローブパウダー:大さじ1杯 シナモンパウダー:大さじ1杯 生姜:20グラム にんにく:20グラム 【製法】 ①牛乳・砂糖・紅茶・クローブパウ…
昨年の天皇の代替わりには大して興味はなかったのだが、平成のはじまりのころはネガティブな関心を持ち、それなりに行動していたことを思い出すと、30年という時の長さを想う。それはともかく、あるときFacebookでマイフレンズが載せていた大嘗宮の写真があ…
冬のお出かけといえば、手堅く、博物館や温室のある植物園などに行く……わたしもそう思っていたのだが、晴れた日に行くシーズンオフの東京湾が素晴らしいことを発見し、すっかり魅了されたのでここに報告させていただきたい。 ある日、適当に東京湾の地図を見…
いまわたしの家のターンテーブルの上は荷物置きになっていて、だいたいスマートフォン&ヘッドフォンで音楽を聴いていた。 サブスクリプションサービスが音楽コンテンツ売上げの半数を超え、CDがなくなるどころかダウンロード販売も風前の灯……という状態だが…
タイトル以上の内容を何一つ書かないことを最初に誓っておくけれども、S・M・Lで限界に達した記念として記す。 S・M・Lによる神経衰弱。たかがS・M・Lの話ではないかとふつうの人は思うだろうし、わたしもそう思っていた。S・M・Lを使うのは週に…