お寿司屋さんでネタだけ食べてシャリを残す人が定期的に非難されている。感じの悪い仮想敵を作って怒っているだけだと思っていたが、「お寿司 シャリ抜き」で検索すると本気の人たちと出会うことができる。
その件についてはお刺身を頼めばいいやんと思うのだが、ことのよしあしを論じる以前に、「そもそもそれはおいしいのか」という点が気になってきた。
とはいえ、わたしには、「今日はシャリ抜きでお願いします」と言えるような関係性のお寿司屋さんはいない。そんなことができれば、20年以上もブログを書き続けたりもしなかっただろう。
いろいろ考えた末、なるべく近い方法で実践してみることにした。
スシローの「ミニしゃり」である。
YouTube動画も作ったのでご高覧いただけますと幸いです。
「ミニしゃり」とは、文字通り、通常よりかなり小さいシャリで寿司を出してくれる仕組みである。

かわいらしいアイコンによりその存在は知っていたが、これをいったい誰が選ぶのだろうと思っていたが、わたしだった。
さっそく注文していく。まずは鯛。スシローで、並ばず着席できて「めでたい」という意味もこめての一皿でもある。

実際に見ると、たしかに通常のシャリより小さい。
次にイカを頼んだ。

シャリがイカに巻かれているように見える。長いものには巻かれろ、ということなのかもしれないし、実際巻かれ中である。
食べてみると、イカの旨味が感じられてよかった。
その次はハマチ。

ネタの形が少しリーゼントのようで、見た目に妙なかっこよさがある。しかしハマチは脂が多く、食べていて、これはもう少しシャリの援軍がほしいと思った。
さらにイワシを頼むと、特定地域の成人式を思わせるビジュアルで登場した。

食べている途中で、本当にシャリはあったのだろうかと思う瞬間すらあった。お酒を飲みながらゆっくりつまむのではなく、脂のある刺身を高速で連続摂取している感じになり、ジャンクフードを食べたときとはまた違う、謎の高揚感が生まれてきた。
続いてアイスランド貝を頼んだ。

形が正方形に近く、視覚的にミニしゃりとよく合っている。味もほかの貝に比べると淡白で、ミニしゃり向きのネタとしてはかなり優秀なのではないかと思った。もっとも、アイスランド貝には500年生きた個体もあるらしい、といった話を思い出すと、この人は何歳なのだろうと考えこんでしまう。
アイスランド貝には申し訳なさが先に立ち、ふだんもあまり頼まないのだが、せめてもの晴れ舞台として今回はミニしゃりで頼んだのだった。
そして、「ホタテ貝はどうだろう」と気持ちになってしまったので頼んだ。

さすがに厚みがあるので、ミニしゃりだとバランスが崩れてしまう。
こうして見ると、ホタテ貝はじつに整った形をしていて、人間に食べられるために生まれてきたようにすら見える。
アイスランド貝→ホタテ貝の順番で食べたことで、アイスランド貝がホタテ貝のおいしさを引き立てるための前座になってしまったようでもあり、少し申し訳ない気持ちにもなった。
次に、ふだんならまず頼まないたまごを注文してみた。

ここまでくると、シャリは寿司の主役というより、ネタの底上げをするための手段のように見えてくる。
たまごに関しては、ネタとシャリのバランスがなかなか良好だった。
さらに生エビも頼んだ。

曲がった姿が生前の姿を彷彿とさせる。食べると旨味がしっかり感じられ、量としてもちょうどよい。

同じくタコもおいしかった。タコと炭水化物の比率で考えると、これはたこ焼きよりはるかに贅沢な食べ物である。
そうこうするうちに、ミニしゃりが選べる寿司の種類には限りがあることがわかってきた。そこで二周目に突入した。

二周目の鯛は、ネタがミニしゃりに映えるような形になっていて、しかも厚い。見た目にも満足感が強い。
とはいえ、自分でも少し不安になってきた。食べても食べても、満腹になる兆しがまったく見えないのである。

なるべくカロリーの高いもので終盤を固めようと思い、ハマチ、えんがわ、焼きとろサーモン、まぐろ赤身などを頼んだら、無事おなかがいっぱいになってきた。


結局、28皿をいただいた。会計は5080円だった。ひとりでスシローで5000円以上食べることはないと思っていた。回転しないお寿司屋さんなら安い方であるが、妙に贅沢をした気分になった。印象としては、高速で刺身食べ放題をしたような感覚。背徳感と爽快感が入り混じってややこしい気分になった。
店を出たときには、しばらくお寿司はもういいかなと思った。しかし困ったことに、その後、何か嫌なことがあったときも、逆に楽しいことがあったときも、「ミニしゃりだけのスシロー大会」が選択肢に登場した。絶対に破滅することはないが危険な考え方ではある。
とはいえ、満足感と達成感は得られた。人生が虚しくなった人には、試してみる価値があるかもしれない。
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中流でも水が少ない時期なら渡れてしまう。

































エレベーターが置けないくらい細い、ということだと思う。牛久の大仏は久しく行っていないが、たしかエレベーターがあって、シンプルな筒状だった。



















































