ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

珍にして絶景、銚子の長九郎稲荷神社

年末年始に銚子に行ってきて大変感動したので何回かに分けて紹介させていただきたい。

謎のオブジェのチラリズム

銚子電鉄の終点は外川だが、手前の犬吠で降りる人が多い。観光客にとって銚子≒犬吠埼なので、ノーマルな観光客は犬吠止まりなのかもしれない。アブノーマルな観光客であるわたしは犬吠だけでなく、時間もたっぷりあるのでさらに南下してみたら楽しいかもしれないと思って、ろくに調べもせず銚子の南の端を歩いていた。すると、丘から妙なオブジェが見えるではないか。

 

釣具店の看板かしら、もしそうなら販売中のゴカイやアカムシが密集している看板にするのが合理的である。しかし、合理性をとことん追求するならエステティックサロンの中吊り広告は謎の丸っこい機械の写真になるはずだが、実際は成果を示すつるつるの美女である。同じくこの釣具店は釣果を看板としているのかもしれない……などと思いつつ検索してみたら、どうやら長九郎神社という神社らしい。もちろんすぐに行きたいが、GoogleMapはしばしば山道はないものととして扱うので、神社へのアプローチ方法が不明だった。坂道を適当に歩いていたらたどり着けるのではと思ってうろうろしていたら、探している神社とはちょっと違うが、いい感じの風景と用途不明の建物を発見。

西宮神社という神社のようである。


念のため建物の中を視察するが詳細は不明。

B29の襲来をキャッチする建物かなと思ったけど、そこまで古くない感じがする。

 

ナイスな売物件も発見。

近辺の中古一戸建ての相場を検索して物件の価格を推定し、住みたいと思ったけれど仕事どうするのよと一瞬で正気に戻った。

 

キャベツ畑とアンテナの向こうに魅惑の鳥居

丘を登りきったところでキャベツ畑と携帯電話のアンテナの向こうに鳥居を発見。

たとえ農作物でも、緑がモサモサしているところに鳥居があるとここに神ありと思う。信じるかどうかは別として。

 

そして鳥居の朽ち方がすごい。

お賽銭を多めに献げる必要がある。

 

ほどなくして絶景が視界に飛びこんでくる


鳥居をくぐるとすぐに、先ほどのオブジェの真相が明らかになると同時に絶景が見えはじめる。

 


後者のインパクトが強すぎてオブジェの件がかすんでしまいそうである。

低木が茂っていて海は見えないだろうと思っていたが一面が海。

 

さきほど見えた鯛のオブジェは鳥居の一部だった。そしてサンマと鰯もあしらわれている。サンマだけカタカナ表記なのは「秋刀魚」という当て字が嫌いだからなのだが、それはよいとしてこんなにわかりやすい神社はない。


長九郎稲荷神社、もともとはその名前のとおり長久郎という漁師が建てたのだが、次第に老朽化し、2002年に社殿を新築した。2011年の東日本大震災で全壊してしまうのだが、再建を果たした……ということのようである。再建してくれてありがたい。

 

 

創建300年なのに創建30年感がすごい。

社殿に向けてボールを投げられるようになっているのも斬新である。神様もたまにボールを当てられる程度の刺激があった方がよいのかもしれない。

 

心の貧乏出て行け!
―個人的な経験から、物理的な貧乏が出ていってからでないと心の貧乏は出ていかないという認識を持ってはいるが、下部構造の問題が解決しないで上部構造が解決するならそれに越したことはない。

 

いろいろ集めてあります。

 

完全に未知の生き物になっているし、直した人もそのつもりだろう。

 

お賽銭は指を持っていかれないように注意して投入してくださいませ。

 

海側から上り下りするルートもあって、外川駅から長崎鼻への最短ルートにもなっている。

さきほどの絶景をいったん忘れて降りてふたたび登って「ワー絶景だ!」と思うのも一興。

 

自分にとって、銚子の代表的な風景になった


いままで旅をしてきた個性的な神社仏閣は特に絶景でもないところにあることが多かったので、絶景と神社のたたずまいとのギャップに引き裂かれそうになったが、貴重な経験ができてよかった。わたしにとってここは銚子を代表する風景になった。

 

もし銚子に旅行することがあったら、ぜひ外川まで行ってみて引き裂かれてくださいませ。

 

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