ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

黒人/白人

最近熟読しまくっているid:dodieさんの、デトロイトテクノに関しての文(id:dodie:20041103)を読んでいろいろ思いました。
たしかに白人がデトロイトサウンドを盗んでいったという側面があるとは思うのですが、白人黒人で分けて考えるなら、デトロイトテクノをジャンルとして存続させたのも白人なのかなぁと思いました。アシッドハウスもそうですが、90年代初頭、本国ではジャンルとして死に体だったとき、たとえばDJAXとかBUZZが尊敬の念を持ってアングラで支え続けていたという過去もあったと思うし…劇的に盛衰を繰り返しているアシッドハウスについて考えると構造はよりハッキリして、むしろ愛情がなかったのは黒人の側と言えなくもないなと思います。TraxとかDanceManiaは著作権とかハチャメチャな状態で、そこらへんがしっかりしていた愛のある白人のレーベルの方がマシだったのではないかと思うし、実は人種とかあんまり関係なくて、音楽が本当に好きかどうかというのもあるのかなぁと思います。

しかし、その「音楽が本当に好き」がまた罠で、ゲットーの黒人が奏でる「ファットでリアルなサウンド」のモチベーションが「音楽が好きだから純粋な気持ちで」というところよりもむしろ「いい暮らししたい!モテたい!」というところにあって、純粋に音楽が好きでやっていたのは中産階級の子弟たちなのかもしれないなと思いました。デトロイトテクノのいわゆるオリジネイターの人たちは中産階級の出身なが多くて音楽そのものと向き合うことができていたけれど、シカゴのアシッドな人たちはDerrichk Mayよりも断然低学歴で、トフラーの『第三の波』とか読んでインスパイアされたりする余裕もなかったんだろうな…