台風から丸一日経って、「晴れているから大丈夫だろう」と思って奥多摩にハイキングに出かけたのですが…大自然を甘く見ていました。あちこちに台風の生々しい傷跡が残っており、のんびりハイキングどころではなかったです。
奥多摩駅から多摩川を遡って歩くこと4時間あまりで奥多摩湖に着きます。
この写真だけ見たら「ステキ!」と思うかもしれませんが、途中が結構大変でした。
いわゆる古道を通るのですが、さすがに熊野のそれと比べても、昔の風情はほとんど残っておらず、ほとんどが舗装された道。
▲時折現れる石段や山道も、今日は台風で千切れた杉の先端が散らばっていて、生々しい杉の匂いが不穏なムードを醸し出しています。
コースの中程に白髭神社があります。巨石のすぐ脇に作られていて、圧迫感に酔いしれます。▼
この神社付近の落石が最もひどかった。
▲ガードレールは吹っ飛ばされていました。電柱が倒れて、電線が木と一体化してしてしまっており、漏電→山火事になったりするのではないかと心配です。通行止めにするレベルかと思うのですが、「他にも被害がたくさんあって、ゴタゴタでここは把握されていないのかも」と思ったので、念のために役場に写真をつけてメールしておきました。
「災害の中、神社だけが無事に残った」とかいう伝説は各地にありますが、その裏で、あっけなく流されたり壊れたりした神社もたくさんあるんでしょうね。
奥多摩湖のダムからも大量の泥水が流れていて、かなり遠くから見たのですが威圧されました。▼
以前、首都圏外郭放水路の中を見学に行ったのですが、その中もピーク時はこんな感じだったんでしょう。都心だと地下に流してしまうので、台風の恐ろしさは見えにくいですね。
オマケですが、舗装されている中、ところどころに民間信仰の様子がわかる資料がありました。
▲一つは歯の神様。直す術がないので祈ることくらいしかできなかったんだろうと思うのですが、こういうところから信仰心が芽生えるんだろうなと思いました。今は歯医者があるので、現役引退ですね。
もう一つは耳の神様。
▲岩が耳の形に窪んでいるところに、耳に形が似ている穴の開いた石を置くと、耳の病気が治る、ということのようです。今から考えると、無根拠にもほどがありますが、穴の開いた石を探し、ここまで歩いてくるのは大変なことだったでしょう。まあ、数百年後にブログでねぎらってもしょうがないですけどね。
奥多摩については、もっとオススメのコースがあるので、もうちょっと涼しくなってきたら改めて書きますね。