ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

文藝を立ち読みして愕然とした

今月号は新人賞の受賞作が載っていて、どんなもんやろ?と思ったら、タイトルからしてドンヨリさせるもので、読んでない人のために恥を忍んで書かせていただくと、『人のセックスを笑うな』と『野ブタ。をプロデュース』。前者に関しては、21世紀にもなって「セックス」を誇らしげにタイトルにし、それが何らかの衝撃を与えることができると認識しているような人間がこの世にまだいること自体が信じられない。しかも40代のおばさんとかならわかるけど、20代。後者は…審査員のTさんの『Pに日は落ちて』を思い出した。あれも出てから20年くらい経ってると思うけど…適当にページを開いてみて、舐めていた浅田飴をはき出しそうになった。「寒い、寒いよ、パトラッシュ。」って書いてある…「寒い、寒いよ、パトラッシュ。」「寒い、寒いよ、パトラッシュ。」「寒い、寒いよ、パトラッシュ。」…どんなに筆が滑ってもこんなこと書かないと思うのだけれど、ぼくの感覚が狂ってるのだろうか?
漱石あたりの時代って、「東京の書生のモダンな暮らしをのぞき見」みたいなノリがあったように思うけど、ここ最近見かける小説は「若者文化をのぞき見」みたいな感じでどうもわからない。若者文化に馴染めない年配の人が「最近の若者はこうなのか」という感じで読むのかなと思うけど、若い人も読んでいるような気配もあるし…とにかくヤル気をなくしてしまい、「生きていてもしょうがないな」と久しぶりに思ったのだけど、ケンタのチキンとか食べているうちに、なんとか昨日あたりからヤル気が戻ってきた。