こんばんは。ちょっと調子が悪いので寝ていたのですが、夢でローレンス・スターンとオフ会で会って「キミは人間以下の猿なのにブログで偉そうなことを書きよって」と言われながらコタツの下の赤外線ムンムンのところでボコられるという、痛いんだか光栄なんだかよくわからない夢でうなされたココロ社です。たしかに、18世紀のイギリス人から見たら、日本人なんて人間以下の野蛮な猿。そりゃボコられても仕方ないわ…と従順なところを見せつつ、今日は『嫌オタク流』の話です。
中原昌也がなぜか絡んでるので購入を余儀なくされたのですが、全体の感想としては、いまいち実体が掴めないオタクという人種を適当にカテゴライズして批判して…みたいな感じで、納得したようなしないような読後感。でもこれって、オタクだからダメという話ではなくて、いろんな種類のダメな人間を「オタク」って呼んでいるだけのような気がした。たとえば「現実の女は俺の外見ばかり見て内面を見てくれない!」と憤慨しながらも自分は女性の外見しか見ていないような男の人生はこれからも湿り気が少ないと予想されるけれど、別にこれはオタク的な文化圏にいない人にでも当てはまりそう。また、人生に必要なことを全部ガンダムから学んでしまう人生ってどんな小規模な人生や?と思うけど、これってオタクに限ったことではなくて、ちょっと前に売れた本のタイトル(↓参照)にもあったし、一般論として、ルサンチ満々かつ凡庸なものって対処に困るよね…という話かと思った。
まあ、そんなルサンチ満々なものについて思いを巡らせても魂は汚れるばかりなのでこのへんにして、やっと本題だけど、この本は中原昌也の魅力を端的に伝えてくれる本だなぁと思う。たとえば、リズム感が皆無のタイトルも笑えるけど、
中原 まあここで本書全体の結論を先に言ってしまえば「オタクの人たちも、もっと自由になってもいいんじゃないかな」ってことですね。
更科 自由って、たとえば?
中原 シャブやったり、リサ・ライオンのビデオでヌいたり。
彼の小説に関しての批評で、暴力とかセックスとかが取り沙汰されがちだけど、露悪的なジョークをオヤジギャグみたいに使うところがユーモラスで可愛らしいと思うんだけどなぁ…飽きるかもしれないけど、飽きたら次の面白いものを彼は用意してくれるはず。電車の中で読んで何度も吹き出してしまった。
- 作者: ロバートフルガム,Robert Fulghum,池央耿
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1996/03
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 89回
- この商品を含むブログ (28件) を見る