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ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

ブックバトン

蔵書数8冊でおなじみのid:churchillさんからいただきました、が、バトンを受け取ったことのみを覚えていて、何を書けばいいのか忘れてしまったので、書きたいことを書いておきます。

●今読んでる本

新宗教と巨大建築 (講談社現代新書)

新宗教と巨大建築 (講談社現代新書)

新興宗教の建築のことがわかる。新書だからかもしれないけど、今ひとつ食い足りないところがあるのですが、面白かった。既存の宗教の巨大建築といえば、東大寺大仏殿などがあがると思うけれど、これらも、もともとは新興宗教の巨大建築と同程度にはうさんくさいものであったことをほのかに再確認した。新興宗教は共感するところがあまりないけれど、それは既存の宗教と同様だと思っている。地方の金持ちの妄想を具現化した巨大仏のバカバカしさと、護国寺の脇になどにある冨士講(富士山に登った気になれるミニ山)のバカバカしさは、等しく面白いと思う。


●好きな本5冊

小説を読むのはあまり好きじゃないけど書くのは好き、で、何が書きたいかというのは、ここ5年で変わっていない。ピンチョンの現代アメリ感な感覚をすべて日本に置き換えた内容で、語り手の立ち位置がつかめない私小説で、以下に挙げる5冊にいちばん影響を受けたと思う。特に変わったものがなくてベタベタだけど…

競売ナンバー49の叫び

競売ナンバー49の叫び

郵政民営化の話が盛り上がっている昨今、読み直しておきたい名著。
訳に不満がある人も多いみたいだけど、盛りだくさんで十分に楽しめる。妄想力がすごすぎる。辻褄の合わせ方がかなり無茶なんだけど、その無茶さを含めて楽しんでしまう。

吉野大夫 (Chuko on demand books)

吉野大夫 (Chuko on demand books)

後藤明生の逸脱の多い、かつ語彙を無駄に誇示しない語り口はとても魅力的なんだけど、逸脱することに関してエクスキューズが多すぎて「もうちょっと読者に委ねてもいいんじゃないか?」と思うところがある。この吉野大夫もそうなんだけど、ただ、この逸脱の度合いがいつもよりもひどくて、小説そのものの存在基盤を危険にさらしながら語りが進むので、妙なスリルを感じさせてくれる。物語内容云々じゃなくて、「もしかしたら…これ、小説にならないかも…」というスリル。

楢山節考 (新潮文庫)

楢山節考 (新潮文庫)

妄想とつじつま合わせが止まらなくて唖然とする。映画も面白かったなぁ…

犬婿入り (講談社文庫)

犬婿入り (講談社文庫)

あの時あれこれ言ったけど、金井美恵子はすごく好きというわけじゃない。電気グルーヴには興味ないけど、テクノについて語るときには、とりあえず例として電気グルーヴを挙げておけばわかりやすいかなぁーというのと同じ意味で、「金井美恵子とかが好き」とよく言う。
多和田葉子は『ゴットハルト鉄道』とかもいいけど、これが一番いい。「都市の中に隠された民話的世界を新しい視点でとらえた芥川賞受賞の表題作」らしいけど、そういう能書きはあんまりどうでもよくて、想像力がたくましくて楽しめる。これが芥川賞芥川賞がまともに機能していた時代もあったんだー。
アマゾンで検索したら、「内容がなさすぎる」とか書いてあって笑った。内容…あはは。ピストルズに演奏下手って言ってるような感じ。

物質と記憶

物質と記憶

丁寧さがかえって怪しさを引き出してる気もするけど、「世界観ってここまでリセットして考えられるんだ」と、妙な感動を覚えた。ベルグソンの本は、読んだら頭がよくなると思う。ヒュームとか読んだことないから思うのかもしれないけど、リセットする語りがユーモラスなのでニヤニヤしながら読んじゃう。