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ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

後悔しない、ハンドル名のつけ方


こんにちは。facebookで、実名登録していないアカウントが削除されているらしいですね。これを書いているわたしも実名ではないので、いつかは削除されるでしょう。削除されたら、寂しさのあまりコージーコーナーでショートケーキを買ってしまいそうです。関係ないですが、ショートケーキって「短いケーキ」じゃないんですよ、そのショートじゃなくて……ついつい話が横道にそれてしまいそうになりますが、そんな時代でも、やっぱりハンドル名はつけた方がいい、というのが今回のお話です。

継続的なネットでの活動を視野に入れるなら、ハンドル名は必須です

いままで、日本において、ネットでなんらかの活動をするときは、ハンドル名をつけるというのが常識でしたが、facebookなどにより、実名で活動する、という選択肢が生まれました。人間という生き物は、自分につけるもう一つの名前ですら思いつかないという、基本的にクリエイティビティに乏しい生き物なので、これからネットデビューする人については実名の割合が増えてくるかと思いますが、それでもなお、ハンドル名で活動することをおすすめします。

なぜかというと理由は3つあります。


(1)ハンドル名は実名よりも覚えやすいから
仕事で間違いやすい名前ってありますよね。誰でも、「うーん、なんとか村さんか、村なんとかさんか、とにかく村がつく人」みたいなうろ覚えがあったりするものです。村岡さんとかって村田さんとか岡村さんと間違われてしまって困っていると推察されますが、その点、生まれ持った名前と違って、ハンドル名の場合、自分でつけるものですから、工夫次第で覚えやすい名前にすることが可能なのです。


(2)ハンドル名はイメージ戦略上有利だから
たとえば勉強が大嫌いな「学」さんとか、ダウナーな「翔太」さんなど、実名と本人のたたずまいの間には深イイ溝があるものですが、ハンドル名だと、「自分がこう見られたい」という名前を好きに考えることができるので、イメージ戦略上有利です。


(3)ハンドル名だと言いたいことが書けるから
ブログやmixitwitterで何か書こうとすると、学校や会社でのできごとや、友達と出かけた話などを書くことになると思いますが、そこで実名だと言いたいことが言いにくいものです。単に周囲の人の悪口を言いたいというのなら、ネットがどうのこうのとかいうより、人格を改善することが先かと思いますが、普通に思ったことを書くだけでも「誰かが読んでいるのではないか」と思って書きにくくなるもので、その点、ハンドル名を使っていれば、何でも言いやすいのです。


その一方で、ハンドル名を使うデメリットもなくはなくて、


(1)知り合いが見つけてくれないかもしれないこと
(2)すでに有名人である場合は、その名前を使わないとゼロからのスタートになってしまう


などがあります。(1)についてですが、実際、実名で登録した場合をシミュレーションしてみるとわかると思いますが、実名だからといって、友達が増えるかというと必ずしもそうでもないです。一般的に、過去のコミュニティで活発に活動しているのは、今の生活に若干あるいは大きな不満を持っている人であって、実名で登録したところで、クラスの人気者がわざわざあなたを探してくれることはまずないと考えてよいと思います。そう考えると、過去の特に美しくもない思い出にひたるより、新しい関係を築くことに注力した方が前向きと言えます。
また、(2)すでに有名人である場合は、その威光を使えないのはもったないので、ハンドル名をつけるとむしろ損になりますが、めったにないケースなのでここでは扱いません。


―以上を考えると、やはりハンドル名での活動がよい、ということになりますが、じゃあ、山田花子さんが心機一転、ハンドル名「昆虫食べ子」などという名前で始めたら人気者になれるか…というと、当然なれませんよね。昆虫が嫌いな人というのは多いものですし、そもそも昆虫にも恐怖感を植え付ける名前だといえるでしょう。
ハンドル名のつけ方にはコツがありますので、これから新しくハンドル名をつけたいとお考えの方や、いままでハンドル名でつらい思いをして、新しい名前で出直したいとお考えの方に、ハンドル名をつける際のご注意事項をお知らせしたいと思います。

(1)ハンドル名は一生変えない決意でつける

ハンドル名は、1回つけたら、よほどのことがない限り変えるべきではありません。移転したり名前を変えたりした場合は、今までの人間関係を終える覚悟が必要です。自分のハンドル名は何度変えても忘れませんが、他人のハンドル名はけっこう忘れるものです。「変な人が粘着してくるので移転し、名前を変えて心機一転、気に入った人にだけ移転先を教えればいいや」とお考えの方もいらっしゃるとは思うのですが、気に入った人が忘れっぽい人だったら…そこで関係は終わってしまいます。そして気に入らない人ほどストーカー体質だったりするので、名前を変えても追ってくる罠…つまり、ハンドル名変更は「好きな人と疎遠になり、嫌いな人とだけ向き合えるテクニック」でしかないという皮肉!
わたしの場合、ハンドル名は変えていませんが、サイトを移転したことに伴っていろんな読者を失い、悔しい思いをしたのでご注意ください。逆に、自分が相手を覚えてなくて、「この人、親しげに話しかけてくるけど誰だろう?」というのもよくあります。

(2)ハンドル名はすべてのサービスで共通にする

固有名詞を覚えるのは大変なことです。もしあなたが美女で顔出しをしていてブログの内容もほんのりとエッチだったりするなら、twitterでは"tel quel"、mixiでは"アンニュイ子"などにしても覚えてもらえるでしょうけど、普通はそうはいきません。自分を識別する情報は、最小限にして、読者の頭のメモリを無駄遣いしないのが愛というもの。「2つの未知な単語を覚え、さらにその未知の単語同士を関連づけて覚えよ」というのはかなりハードルが高いのです。多くの人は「すべからく」=「必須である」「フレンチキス」=「濃厚なキス」ですら覚えることができず、何度言っても「すべからく」=「すべて」、「フレンチキス=軽いキス」と間違えてしまうというのに、見知らぬ人の名前を2種類も覚えるなんて聖徳太子にしかできない芸当なのです。そもそも聖徳太子自体が後世に藤原氏によって伝説をでっちあげられたという説があるくらいですしねぇ…。
なお、ブログをお持ちの方は、ブログのタイトルから名前が想起できるようにしておくと楽です。あるいはココロ社みたいにブログのタイトル=ハンドル名にしておくと、覚えてもらう固有名詞が2つから1つに減りますね。

(3)誰でも読める名前にする

もしあなたが、読者が増えるとうれしいと思うのであれば、読みやすい名前をおすすめします。イメージを優先するのなら難解な名前の方をつける手もなくはないですし、「覚えにくさも魅力の一つ」と思える名前もたくさんあります。しかし、もしあなたがアクセス解析を見て一喜一憂するタイプであった場合には、わかりやすい名前をつけるに越したことはありません。
英単語を一度も読まずに覚えることが難しいのと同様、読めないハンドル名を覚えるのは大変困難。他のハンドル名の人とごっちゃになったり(その似た名前の人が叩かれブロガーだったら目も当てられません)、オフ会などでも話題にするとき…「あれ何て読むのかわからないけど、aで始まるアレだよ」とかいうやりとりは頻繁に行われますが、「aで始まるアレ」呼ばわりされたくなければ読みやすい名前にするのがよいかと思います。漢字のときも同様。これは本当に最近の子供の名付けと同じですよね…
また、ハンドル名を長くすると変な略称をつけられるので覚悟した方がよいかと思われます。

(4)実生活での呼び名はおすすめできません

たとえばmixiなどで顕著なのが、あだ名をハンドル名にするやり方。ハンドル名を初めてつける場合は、友だちに呼ばれている名前をついつけてしまいがちですが、友だちは半径数メートルでしか通用する名前でしか読んでくれません。たとえば「なお」さんだと、マイミクが100人を超えるような人にとっては、「どこのなおさんだっけ?」と混乱してしまいますので、実生活での呼ばれ方と違う名前にした方がお得です。
また、まずないことですが、仮に炎上したとき、本名をいじられることになりますので、つい過去の犯罪についての日記を書き、「昔はワルだったんだぜ」アピールしてしまう、という特殊な性癖をお持ちの方はご確認くださいませ。

(5)奇抜な名前は、長期のブログ経営や出会いには不向き

たとえば「便器富貴子」というハンドル名はインパクトはありますが、長期的な活動をするには不向きです。「便器富貴子」名義で日々のよしなしごとを小粋な下ネタとともにお届けするブログを書いていたとして、突如、石原都政に対して怒りが爆発して、明日の東京都を考えるブログへと変身を遂げた…としても、「便器富貴子」の名前のままでは「いやぁ…都政について考える前にその名前について考えた方がいいのでは、と思われてしまうことでしょう。
「実生活でモテすぎてるから、むしろ石を投げられるような名前がいい」というのであれば問題ないですが、あまり変な名前にしてしまうと、アホなこと以外は言えなくなり、仮にブログが炎上して釈明したときのバツの悪さときたらありません。
何かシリアスな事柄について主張しても、たとえば「ぼくは便器富貴子さんの言うことが正しいと思う」などとは言いづらく、擁護もままならなりません。
長く続けるのであれば、インパクトがなくてもニュートラルなものがおすすめです

(6)日本語の名前がおすすめ

言及されたりレスをつけられたりする際の使い勝手を考えると、名前は日本語にするといいと思います。英字だと「こんにちは、Arcangelさん」などと書く場合、カナ/英字を切り替えを2回させないといけませんし、かといって全角の英文字でArcangelだったら、見た目モッサリしてしまいますよね。
言及する際のストレスをなるべく軽くするというのは、処世術の一つであると考えることができるでしょう。その観点からすると、長すぎる名前もおすすめできません。「わたしの名前を呼ぶのに、他の人の倍の労力を使いなさい。なぜなら、わたしにはその価値があるから」という意味だからです。

(7)検索して出てこない名前を選ぶべき

特に野望などお持ちでない方も、もしかしたら有名になれるかもしれません。せっかくですから、検索して出て来ない名前を選ぶべきです。自分が紹介されるときは常にリンク付きというわけではないのですから、自分のハンドル名を入れたらすぐ見に来られるようにすべきです。サイトを移転したときなどは特に有効になります。わざわざ検索してくださる優良顧客との出会いを失うのはもったいないですよね。

(8)人となりがわかる名前にする

ハンドル名は、あなたを表すキャッチコピーです。コピーがいけてなかったら商品を買ってもらえないのと同様、ハンドル名がわかりづらいものなら読者がつきません。

たとえば、twitterでこんな感じで話しかけられたらどうでしょう?


性別も年齢もわからないので、この気持ちに共感していいかどうかわからず、返事するのに緊張してしまいますよね。

同じ言葉でも、ハンドル名を変えてみたらこうなります。

後者だと女であるということと、夢見がちであるということ、多少なりともユーモアの持ち主であることがわかるので、知らない人だとはいえ、前者より返事がしやすいですよね。

(9)コンセプトを立たせすぎるとつぶしが効かない

ハンドル名がコピーだとしても、あまりにも尖ったコピーだと後悔することになるかもしれません。
たとえば「青虫M」などと称してしまうと、昆虫の話題についてしか話せなくなってしまいます。青虫Mさんが、どんなにおいしい料理のレシピを発案したとしても、あんまりおいしそうじゃないですよね。ご自身のライフワークをすでに決めていらっしゃる方は話が別ですが、ネットでいろんなことを書きたいとお考えの方は、つぶしが効く名前にした方が長生きできます。




他にもいろいろあるのですが、すべてを語ると「俺の名前がアカンっちゅうのかよ!」と言われてしまうのでこのへんにしておきます。
ハンドル名は、あなたとネットをつなぐ唯一の手がかりなので、慎重に決めていきたいところですね。