ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

殺人

実は、戦後、若者の殺人率は一貫して下がっているのだ、という話をテレビでやっている。まあ、そんなことだろうと思ったけれど、「世の中はどんどんすさみつつある」「道徳などもうない」的な言い方が戦後一貫して流行しているのはなぜだろう。
言うに事欠いて、というのなら、新聞のボリュームを半分にして値段を半額にすればいいと思うのだけれど、新聞社も拡大再生産しないとダメだし、読む方も読む方で何か読みたいんだろうなぁ。
もちろんそれは凡庸すぎるとは思うけれども、経済的に必要な物語というのはあると思う。たとえば、「最近の若者のモラル低下が…」という言説の経済効果は、だいたい年間5兆円くらいになる。逆に「最近は世の中がどんどん健全になって…」という言説はマイナス1兆円とかかなぁ。
自分がしたいと思っていることのひとつは、言説の経済効果を台無しにすることであり、その意味において、直接触れていない時でも、常に自分の書いているものは政治的なんだなぁと思う。