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ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

宗派が乱立する半熟ゆで卵の製法を統一。簡単&短時間&失敗なく半熟卵を作る方法と、ゆで時間と仕上がりの比較写真

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ココロ社のクッキングコーナーを始めようと思うが、まず半熟ゆで卵の作り方について書きたいと思う。
たかが半熟ゆで卵といえども、その製法にはいくつかの宗派がある。たっぷりのお湯でゆでる宗派もあれば、少量のお湯で蒸す宗派もあり、後者が最近のトレンドのように見える。
それぞれの製法の妥当性を卵20個以上をゆでて検証し、短時間ででき、手間もかからず、安定して作る方法を確立したので報告させていただきたい。
失敗作も含めてスタッフ(=自分)がおいしくいただいたため、正直言って、しばらく卵を見たくない気持ちになってしまったのだが……。
最初に試行錯誤の末の結論としてのレシピを記しておき、なぜこの結論に至ったかについては、それぞれの宗派の言い分と合わせてその後に記しておく。

【準備するもの】

たまご…1~5個(常温ではなく、冷蔵庫にあるもの)
水…100cc


【製法】

(1)鍋に100ccの水を入れて強火で沸騰させる
(2)沸騰したら火を止めて、可能な限り静かに鍋の底にたまごを置く
(3)鍋に蓋をして中火にし、7分間ゆでる(何分ゆでるとどうなるかの比較は本文を参照)
(4)鍋にそのまま水を入れて1分間水を流し続ける
(5)水の中で剥く


・熱が回せればお湯は少なくても問題ない
「1リットルの水に卵4つ」と「5リットルの水に卵1つ」と「100ccの水に卵1つで蓋はしない」と「100ccの水に卵4つで蓋をする」で比較した。結果は「5リットルの水に卵1つ」がやや柔らかく、「100ccの水に卵1つで蓋はしない」は、一部に熱が回らず白身が固まらない状態になった。水の量が多いと、強めに加熱しないと、かえって水の量が少ないときより水温が下がってしまうので、たっぷりのお湯でゆでるのは得策ではないと思われる。また、水の量が少ないときは蓋をしていないと、鍋の中の温度を保つことができない。


・水を100ccより減らすのはハイリスクローリターンである
蓋をして蒸す流派では、極端に水の量を少なくしているものもある。たしかに、水の量は少ないほど、調理時間が短縮できるのだが、最低限のリスク回避策は講じておきたい。卵ができるまでに水が蒸発してしまったら惨事が起きてしまうので、保険として100cc用意した。この量なら、沸かすまで1分もかからない。
なお、中火で100ccの水を温めて、完全に蒸発するのがおよそ10分である。


・ゆで時間を計測しやすいよう、お湯から卵をゆでる
理論的には、急激に熱するよりも徐々に熱した方が殻が割れにくいのかもしれないが、水からゆでる場合、もとの水温の温度差が夏と冬で20度近く異なり、夏と冬で別のゆで時間を設定しなくてはいけないので面倒である。また、常に冷蔵庫から出した卵をゆでるのも同じ理由である。夏と冬の常温にはやはり20度近くの開きがあるからだ。


・割れた卵のリカバリーは困難。割れていない卵を割れないよう扱うしかない
蒸すのではなくゆでる宗派では、割れた場合のリスク回避として塩を入れることが多い。
塩分濃度を高くしておけば、塩がタンパク質の凝固を促進するため、殻から外部に白身が露出しないからである。実際、かなり大きな割れ目を作ってみたが、被害はこの程度でおさまる。
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では、ひびの入った卵を、ゆでるのではなく蒸したときはどうなるかというと、どんなに塩を入れてもこの有様。
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「黄身ってこんなに自由な形で固まれるんだな」と感動した。

―つまり、割れた卵をどうしてもゆで卵にしないといけない必然性のある人に限っては「塩水でゆでる」という道を選択すればよく、割れていない卵を使えるのであれば、やはり蒸す方が時間短縮になる。
また、お湯が沸いているところに卵を置くとき、やけどをしたくないからと、乱暴に置いてしまいがちである。卵を落ち着いて鍋に置くために、いったん火を止める工程を入れている。


・1円節約したいなら余熱を使う手があるが、手間と時間がかかる
蒸す派は、途中で火を止めて、余熱で調理し、ガス代の節約することをすすめるのだが、余熱だから温度がさがり、加熱し続けたよりも数分時間がかかる。これで節約できるガス代は1円前後。
また、加熱する→余熱で蒸らす→水をかけるの3ステップの手間を取るよりも、加熱する→水をかけるの2ステップの方が楽でもあるので、余熱を入れないことにする。


・エッグパンチと、「水の中で剥く」はおよそ同じ効果
卵の殻を楽に剥くためにエッグパンチという文明の利器がある。
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寂しいので、愛用中の無印のキッチンタイマーにも友情出演していただいた。
ダイソーなどで売っていて、裏に磁石がついていてホスピタリティ満載のスグレモノ……なのであるが、このエッグパンチでなぜ剥きやすくなるのかというと、小さな穴を通じて中の二酸化炭素を逃がすことができ、殻と卵の間に空洞ができる……という仕掛けらしいのだけれど、水の中で卵を剥いたときの剥きやすさとさほど変わりはないように思われた。卵の内側にある膜の剥きやすさについては、水の中で剥くかどうかの方が剥きやすさに大きく関与しているのではないかと感じたので、結局使っていない。


・時間とゆで度合いの比較
ネットでよく見かけるゆで時間の比較写真だが、断面を上から撮影しているので、黄身がどれくらいの硬さなのかが想像しづらい。それだけではない。真上から撮ったヌード写真を見て満足する人間はどれくらいいるのだろうか……。
そこで、皿に載せて切った直後の様子を写真に撮った。なお、熱を十分に回せるという前提なら、水の量や卵の量の多寡を問わず、この結果になる。


【5分ゆでた(蒸した)卵先生、生涯最初で最後の晴れ舞台】
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黄身がほぼ液体だが決して生ではなく(「粗にして野だが卑ではない」に似た言い方)、加熱した黄身のうまみは感じられる。



【6分ゆでた(蒸した)卵先生、生涯最初で最後の晴れ舞台】
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黄身の外周が少し固まってきて、中心部も少しとろりとしてきたが、黄身のこってり感がもうちょっとあったら最高だなと思った。


【7分ゆでた(蒸した)卵先生、生涯最初で最後の晴れ舞台】
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これは袈裟を着ているラーメン屋の半熟たまごくらいで、袈裟を着るメンタリティは好きではないものの、コスチュームがない(≒プロモーションに無頓着である)店と比較すると、平均値としてはおいしいのではないかと思っている。


【8分ゆでた(蒸した)卵先生、生涯最初で最後の晴れ舞台】
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これは袈裟を着ていないラーメン屋の半熟卵。黄身は最低限固まっていてほしいと思う人はこの時間がよいと思うが、個人的には黄身の周辺が若干パサついているところが不満。


【9分ゆでた(蒸した)卵先生、生涯最初で最後の晴れ舞台】
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ここまでくると、黄身が固まってくるばかりでなく、白身が固すぎるように思うのだが、昔はこれくらいを「半熟」と呼んでいたような気がする。



わたしはここで「7分」を選択したが、この写真を目安にしてお好みのゆで加減を発見していただければ幸甚である。


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