ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

2009年に食べておいしかったものを列挙する

ごぶさたしております。
去年は本当に忙しかったので、読者のみなさまにおかれましては、ブログを更新したと思ったら著書の案内だったりして、さぞかしガッカリされたことと思います。ガッカリすることがあってこその人生という気もしますが、今回は殊勝にも罪滅ぼし…ということで、2009年に行っておいしかった店を、一部リンク付きで紹介させていただきますので、よかったら参考にしてみてください。東京と大阪が中心で申し訳ありません。

(1)新幹線からすぐのお好み焼き屋さん

この「めっせ熊」という店、チェーン展開していて珍しい店ではないのですが、すごくオススメなのは何でかっていうと、新大阪駅にあるんですよ。つまり、出張で「ああーせっかく大阪に来たのに会議しただけで大阪っぽいこと何ひとつできなかった」という人は、とりあえず新幹線に乗る前にここで夕食とって帰ったらええんとちゃうか、という、役立たずでおなじみの当ブログには珍しい、まともな提案で申し訳ありません。
わりかし上品なお好み焼きなんですが、ソースが4種類から選べるところが…もうね…「大阪・生野 ヘルメスソース 親族4人でソースの製造からラベル貼りまですべて手作業で行っている大阪のソース」などの能書きが大爆発!ついつい、いろいろ塗ってしまいたくなるのです。

モダン焼の麺もどっしりしていておすすめなのですが、わりかし並んでいるので、通りがかって並んでいなかったらラッキーと思って入る感じですかね。お好み焼以外にも、小龍包などもあって、「お好み焼きなんて大嫌い、あんなものお嫌い焼きじゃないか」と憤慨するあなたにもおすすめです。

(2)高さ17センチ、1700円のハンバーガー

おいしいハンバーガーというと、大学のそばに、『ファイアーハウス』っていう店があって、行きたかったのですが、学生だったころは、マックもぜいたくだと思っていたので、ほとんど行けませんでした。というか、学生時代は食べることなんてどうでもよくて、本とレコードに命を賭けており、三食インスタントラーメンとかザラだったなぁ…
学生なのにおいしいハンバーガーの店に日常的に食べに行ってた人って親から仕送りいっぱいもらってたんだろうなー、とか、家庭教師で儲けていたんだろうなーとか思っていたのですが、さすがにいいオッサンになると、いいハンバーガーくらいは食べられるようになります。ということで、復讐も兼ねて、渋谷にあるReg-On Dinerに行ってきました。

これがこの店で最大のハンバーガー、Big Regです。まず、パンのとこ、気どった言い方をするとバンズがバターたっぷりでほんのり甘くておいしい!単独で食べても十分な感じです。肉汁も暴発していて、モスバーガー的な袋に入れて食べるのだが、口と手がベトベトになるのでご注意くださいませ。

(3)大阪の凝縮された店で銀杏を食べた

何度かここでも書いていますが、大阪・新世界の「やまと屋」チェーンが常に熱い!
大阪に行ったときには必ず「とりあえず、やまと屋しとくかな〜」と思うのですが、11月に行ったときは、串カツだけでなく、ちょっと秋を感じたくて焼き銀杏にしたのですが、一人だったので発言小町を見つつ食べてました。結局、友だちと集まっても世間話が中心であることを考えると、発言小町があれば友だちが不要になると言えましょう。

この、銀杏の殻についている黒いのは何でしょうね。ソバカス?ぼくはわりかしソバカスが好きです。それはともかく、横で60歳近い男女が「あんなダンナのことなんてええやんけ、いいかげん別れろや」「あんたそればっかりやな」などというやりとり。30年くらい粘着してるんじゃないかと思ってドキドキしました。30年も粘着し続けるってすごい。ぼくは女友達がマリリンモンローとかだったとしても30年間粘着することは不可能です…もともとマリリンモンローさんのことは興味ないっていうのもありますが…

(4)オッサンのファンタジー=寿司をおごる

たとえば小学生時代のファンタジーといえば「カールを一袋全部食べたい」でした。その夢は、社会科見学で明治製菓さんの工場見学に行ったときに、カールをおみやげにもらうことで実現したのですが、歳相応のファンタジーというものがあるもので、やはりいいオッサンになると、「女に寿司をおごりたい」という、おそらく小学生時代の自分が聞いたら「おごってもらいたい、の間違いとちゃうの???」と思ってしまうようなファンタジーを持つのですが、それを実現することができてよかったです。しかし、普段は標準語のくせに、こういうときだけ「何でも頼んでええんやで…」と関西弁になってしまうんやで…

―ということで、南紀白浜の「幸鮨」で「何でも頼んでええんやで」と言ったら本当に何でも頼まれました。まあ玉子焼ばかり頼まれて金のかからない女アピールされるよりはいいけれど…写真はタチウオをあぶったのです。タチウオって焼いたのしか食べたことがなかったのですが、これはもっちり感が新鮮!塩がふってあったのですが、ネタごとにつけるものが違っていて飽きることがないのです。夢をありがとう!

(5)謎の豚、ホエー豚丼

田中義剛先生が以前、テレビで「未知の商品を売ると、適正価格がいくらかというのがわからないので、プライスリーダーになれる」という話を力説されていました。生キャラメルがまさにそれですが、ホエー豚というのも同じなんでしょうね。たしかに、何の変哲もない豚よりホエー豚の方が特別で、少々値段が高くても、まあそういうものかなぁという気がしてしまいます。ホエー豚がどういう豚かは知らんけど…乳首の長さが普通の豚の倍あるとかかなぁ…あんまり長かったらちぎれるんじゃないかと思って不安になるので、ほどほどにしていただきたく思います。

夏に新千歳空港の花畑牧場の店で食べたのですが、このはみ出している感じが、価格納得度を上げると同時に、どことなく卑猥なムード、ありていに言うと女性器みたいな印象で、さすが実業家・田中義剛先生は目の付けどころが違う、と唸った次第です。味はおいしかったです。イベリコ豚とイベリコじゃない不貞腐れ豚との間くらいの味と記憶しております。

(6)ちょっといい店での食べこぼし問題


「勉強はできるが人の気持ちはわからないエリートより、出来が悪いが心優しい凡人がいい」的な話が苦手なことでおなじみのわたくしですが、反知性主義の変奏曲であるところの「ちょっといい店で気取って食べるより、食べこぼしを気にせずワイルドに食べたほうがおいしい」説についてはもろ手を挙げて賛成します。それはなぜかというと、食べこぼしがひどいのがコンプレックスだからです。食べ方が汚い人は恋愛対象外な人ランキングの常連。なので、「食べこぼしis beautiful」と言い張らないことには自分が生きていて大丈夫と思えない…という感じでおいしい店でした。食べログには「普段づかいのイタリアン」って書いてあったので、「普段づかい=食べこぼしOK」と拡大解釈が可能です。

(7)天下一品より濃いと言われていた「一作ラーメン」の現在

大阪の「一作ラーメン」、前はこってりであることをウリにしていて、「今日のこってり度」というのを店の前に表示する徹底ぶり。一説によると、「天下一品と違って、鶏をまるごと、内臓も含めて煮ているから天下一品に似ているが、ちょっと臭みが強くて色も濃い」とのことでしたが、こってり度表示もなくなって、味もなんかわりとサッパリした感じになってた。あの、高校生のときの食べたあとの胸焼け感は過去のものになってしまいました。

どっちかというと、濃さを強調して、ラーメン二郎を撃破するために東京に出店してほしいのだけど、京阪沿線に二店舗しかないので、東京進出には22世紀を待たねばなりません。(あるいは物質転送装置が発明されたタイミングで全世界へホカホカ通販が実現するか)

(8)若干オシャレな二郎系の店


近所の店なのですが、そう、写真の通り、ラーメン二郎風の濃いスープと太い麺と山盛りの野菜。でも店のたたずまいはちょっと和風でしっとり!
現状でもいっぱい並んでるので、もう教えたくない感じなのですが、「ラーメン二郎とか行ってみたいけど雰囲気が…」というお嬢様には、こういう店もありますよ〜という話。

(9)体によくて見た目オシャレな「じねんじょ」のカレー

二郎インスパイアの店の話のあとでなんですが、この歳になってくると、「健康にいいものが食べたい」という欲求が芽生えてくるものなのであります。
普通は薬膳っていったら中華料理かもしれんのですが、東京・谷中の薬膳カレーの店「じねんじょ」に行ってきました。考えてみたらユンケルの一番高いのに比べたら安いよ!

ということで、体があたたまったのもよかったのですが、辛さとともにじんわりとした苦さもあって、もっぱらお味を満喫しました。

(10)中国茶をゆったり満喫できる「悟空」

早い時間に行かないと満席になってしまうことでおなじみ、横浜中華街の「悟空茶荘」です。ここは席がゆったりしていて、お茶の数もたくさんで、つい2種類頼んでしまいます。飲んで気になったお茶は買って帰れるし。

ほかにも中国茶の店はいろいろ開拓したのですが、あまりにも通い詰めているために紹介できません…もし読者の方とデートするときは、「中国茶飲みたい」リクエストしていただければお連れいたします。ただしぼくの超うざい解説つきやけどな!

(11)江坂のクリエイティブな串揚げの店

大阪に行ったとき、どうも宿が取れなくて、江坂に泊まったことがあって(注:関東にお住まいの皆さんは、ここを「東京駅近辺に泊まりたかったが両国に泊まった」くらいの感覚でお考えいただければと思います)、近くの店を渋々検索したらよさげな店が…ということで、この「くしろ」は、串カツというより串揚げの店で、おまかせでどんどん揚げてくれるのですが、一品一品に創意工夫が凝らされていて、「次は何がくるんだろう…」とドキドキしました。

これは「じゃが芋のサワークリーム・キャビア添え」で、つぶつぶ感がよかった。オリジナル感のある串揚げの店はたまに行くのですが、ここは特別楽しくておいしかったです。また行きたい。

(12)天ぷらと思ったらさつま揚げで驚き!

高松に行ったときは、セルフすぎたうどん屋にビックリしてしまいました。これって効率がいいのかどうなのかわからない…あと、ぼくは料理ができないのですが、料理ができない人って加減がわからない。「塩少々」の「少々」とか、「ひと煮立ち」の「ひと」とか。当然ながら、うどんのゆで方もわからんので、最高っていう感じではなかったです。それは店のせいじゃなくて自分のせい、「責任を自分で取るところまでが、本当のセルフうどんなんだなぁ みつを」と思いました。

そんで、天ぷらを頼んだらさつま揚げで、たしかにこれも天ぷらやなぁ…という気持ちになりましたが、これもまた自己責任です。だってこれも天ぷらだから。
なお、新宿の西口の「楽釜製麺所」などでは、じゃこ天をさらに天ぷら化してくれていて溜飲が下がるのでお試しくださいませ。

(13)個人的にベストうどん屋は池袋の西武百貨店の屋上

今年は3回くらいしか行ってないと思うのですが、池袋の西武の屋上の「かるかや」が大好きです。いろんなうどん屋に行ったけど、個人的にここのうどんが一番おいしいと思います。ここ、いつも並んでいて、屋上では独り勝ちの様相なのですが、ここがうどん屋で一番っていう人はあんまり見たことない。それって「一番好きな肉料理はビッグマック」っていうのと同じなのかなぁ…味のワカラン奴なのかもしれないけれども、麺が大好きで、人類をやめて麺類になろうかと思っている方は、この店では迷わず釜揚げうどんを選ぶといいのではと思います。なぜなら他のうどんより麺の量が多いからです。

夢中で食べてしまって撮るのを忘れてしまいましたが、不揃いな麺がエキサイティングですよ。



うーん…去年は旅行にあんまり行ってなくて、しょうがないからいろいろ食べることでリフレッシュしてきましたが、今年は原稿をこなしつつも、いろんなところに出かけたいと思いますので、たまに見にきてくださいませ!