20世紀のインターネットにおいて猛威を振るっていた「荒らし」。その正体はミルクボーロとミルクセーキが大好きな、夢いっぱいの寂しがり屋さんなのですが、「荒らしは放置」という方針の浸透により、無視された荒らしさんたちはハンカチの端をカミカミ…「そんなことしても寂しさは止まらない!」ということで考案されたのが「釣り」です。
「釣り」が好きな人は、反論を誘うような言葉を書き込んで、ムキになって反論する人を眺め、「ホッホッホ…ムキになっとる」と、勝ち組気分を味わうようになります。
あるいは、真剣に書いたつもりだったが見事に論破されて、事後的に「あれは釣りだったんだ」と虚偽の弁明をするケースもあるでしょう。
時間をどう浪費するかは個人の自由なので、釣りたければお好きなように…と思いますが、見ていると若干サディスティックな気持ちになってしまうときもありますよね。そんなサディスティックな秋の夜に最適な「釣り」対処法を提案させていただきます。
「釣り」のサンプル
流行に周回遅れ甚だしいココロ子。どこで聞きかじったか、「釣りが面白い」という古びた情報をゲットしてしまい、過去の釣り記事を研究し、夜なべをして釣り記事をこさえて載せたとさ…
典型的な釣り記事ですね。
簡単に解説すると、まず「私は言いたいことを言うが、お前らは同意だけしろ」という高慢な態度は、釣り記事のまさに定番といえるでしょう。
しかも、自分が全女性を代弁しているかのような言い方(「私は」→「女は」メソッド)で、女性陣への目配せも忘れていません。また、短い文章なので忙しい人も釣ることができ、いい釣りと言えるでしょう。
以下、この例について、どう対処していけばよいか検討していきます。
(1)無視する
インターネットにおける最強のオプション、それがMU‐SHIです。寂しさのあまり、ビビッドな反応が得られそうな釣り記事を書いたというのに、蓋を開けてみれば閑古鳥…その屈辱たるや…
また、冷静に考えてみると、釣り記事に対してムキーっと怒っている間に、地球のあちこちで、亡くなっていく人がたくさんいます。生きたくても生きられない人がたくさんいるというのに、貴重な命の炎を、こんなことで燃やしてももいいのでしょうか???
そう思うと、コメントする気が失せるかと思いますが、それでもなお、「無視できないから困ってるんだろ!」と思われる方も多いかと思うので、そんな方は(2)以降の方法を参考にしていただければと思います。
(2)気分が悪くなるくらい同意する
釣り人はもちろん、読み手を苛立たせることを期待して駄文をこしらえているので、否定されると喜びますが、逆に全力で肯定されると、イライラしたり混乱したりします。徹底したアホを装うことで、逆に相手に重度の苛立ちを与えるというメソッドです。
どうでもよいことを「非凡です」などと言って盛り上げていくと、いっそう効果が際立ちますのでお試しくだしまし!
(3)自分のブログの宣伝をする
そもそも、「釣り」というものは、釣り人が自己顕示欲を満たすためにしているのですから、こちらが倫理的にふるまう義務は一切ありません。しょせん、インターネットは自己顕示欲のぶつかりあいにすぎないので、好きに書けばよいのです。
ただ、避けたいのは、匿名で書いてある記事に対して、こちらは誰かわかる形で怒ったりする場合。匿名の記事を書いた人は正体がわからず、好感度は下がらないのに、怒っているこちらだけが好感度を下げてしまうという負け確定の状況に…ここは逆転の発想で、自分のサイトの過去ログの人気記事を貼り付けるなどして対処するとよいかと思います。
特に匿名の記事に対してコメントしたい場合は、「ここは自己アピールの場である」と割り切って書かないと損をするだけなので、怒るかどうかに関わらず、徹頭徹尾、自分が得をするよう計算した上でコメントすることをおススメします。
(4)「釣りなどという逃げ口上は許さない」と徹頭徹尾マジレス責め
釣る方が、いつも超越的な視点でものごとを眺めていられるとは限りません。この国に安全な場所などもうないのです。終身雇用制も崩壊したし…それは関係ないですけど…
釣りとはいえ、こちらに執念さえあれば、同じ地平に引きずり下ろすことも可能です。「釣り=冗談」などという暗黙の了解は完全無視、100%本気で突っ走るという方針です。「『ネタにマジレスカッコワルイ』…何それ?そんなことはどうでもいいから、お前の人格ごとお前の発言をミンチ状に潰す!」という態度で臨めば、相手は「釣りだって言ったのになんでそんなこと言うの!」と逃げていくことでしょう。
その際、注意したいのは「釣りなんだろうけど…」などの枕詞をつけないことです。ギャラリーに「これは冗談」という印象を与えてしまうと、あたかも釣り師が知的であるような印象を与えてしまうので、イメージ戦略的には不利ですし、後続がつきません。
一般的な釣り対策として「本気にしない」というのが有効とされていますが、実際は逆です。
「いやいや、釣りじゃないでしょ?本気でこんなくだらないことを書くくらいあなたはアレな人ですよね」と、相手とギャラリーの双方に釘を刺してから全力でマジレスすることで、絶大な効果が得られます。
(5)別の釣りをして釣りを無効化する
一言で言うと、人が釣りをしている横で餌をばらまくやり方です。こちらで、釣り餌以上に魅力的な餌を撒くことで、周囲の視線を一気にかっさらうという荒技。しかしそのワイルドな行動とは裏腹に、こちら側に高度な釣り能力が要求されるので、素人にはお勧めできません。初心者は、2ちゃんねるなどで腕ならしをしてから実行することをオススメします。
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ということで、どうしても「釣り」に反応してしまいたくなった場合は、「相手を攻撃する」という戦略を取ると、釣り人の思うつぼになってしまうので、「こちらが味わった苛立ち以上の苛立ちを相手に与える」という姿勢が重要かと思います。
相手を苛立たせる言動は、表向き、罵倒しているよりソフトに見えますが、実は釣り人にはその方がショックが大きいので、ご活用くださいませ…
ということで、正しい戦略で楽しく釣り人とインターネットをエンジョイしましょう!