Dancemania Presents Future Sound Of Chicago (V.A. 1988)
初期は"House Nation"、"Video Crush"などのユニークな作品を(たまに)出し、90年代に入ってからRobert Armani、DJ Funk、DJ Rushなどを輩出することになる、シカゴの名門Dancemaniaのコンピレーション。
A面がDancemaniaから4曲、B面は知名度低めだが、早くからブリープやデトロイト・テクノを取り入れていた、読んで字の如きレーベル名のFuture Soundから4曲。もとから音質には問題が多くて、「音質の悪いところがまたいいんだよね」と自分に言い聞かせながら聞くことが必要なシカゴ盤*1なのに、片面に4曲も入れ、輪をかけて低音質の仕上がりになっている。
ハウスのレコードは多品種小ロットの極みであることや、そもそも音そのもの以外のイメージを必要としないジャンルということもあって、ジャケットは固有のものはなく、レーベル共通のものが多い。この時期の12インチの共通デザインとして使われているのがこのデザインだったのだが…少なくとも88年現在でこれはアウト・オブ・デイトなデザインであることは間違いないし、しかも右下の社交ダンスっぷり。「シカゴではアシッドハウスが流行。労働者階級の若い男女が『オレたち流』の社交ダンスを楽しんでいました。」…100年後の音楽の教科書には、こんな間違った解説が載っていそう。
*1:たとえばシカゴ・ハウスの総本山Traxのレコードは、「針飛びが起こる場合がありますがご了承ください」とレコード屋で注意書きが見られたほど