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ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

渋谷駅から徒歩10分。買い物帰りに行ける熱帯ジャングル「渋谷区ふれあい植物センター」で、季節外れの夏休みを満喫する

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あと一か月ほど寝たり起きたりしたら春がやってくることは確実だが、実際のところ、寝たり起きたり以外のこともしなければならない。
そう思うと、さっと南の島にでも行きたいと思ったりもするが、南の島に行く旅を準備する気力は、もうすこし日照時間が増えないことには養えず、暖かくなってきたらきたで、東京も南国で、自然も少なくないし、なかなかのものだと思い、ついに南の島に行くことはない。
この季節、休日はさっさと買い物を済ませて家に帰ることが多いのだが、渋谷駅から10分ほど歩いたところにジャングルがあるのを発見し、わたしの暗黒の買い物生活に光が差したのだった。


渋谷の歩道橋まわりもよく見ると楽しい

渋谷の東口を出て、歩道橋をのぼる。
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JR渋谷駅、山手線内回りのホームと同じ高さになっていて、電車を待つ人たちと向き合える場所がある。ただそれだけなのだが、ここでしばらくぼんやりして、電車を待っている人に想いを馳せるのも楽しい。
内回りといえば目黒方面で、目黒といえば寄生虫館。行ったら数週間はお刺身を凝視したりすることになるので、それなりの覚悟が必要である。

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渋谷川が見える方向に向かう。
この渋谷川こそが、渋谷をかつて谷たらしめていた川なのだが、渋谷を谷にしている川が渋谷川と呼ばれているのはなんともウロボロス的である。

この川の先には常に一定の行列がある。「牛かつ もと村」の行列。
牛カツはわたしの頭の中では、マグロステーキと同じ引き出しに入っている。「牛肉をカツにするなんてもったない」という謎の背徳感があるので、本格的な牛カツを食べたことがない。


明治通りを恵比寿方向に向かって歩く。
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東急線の高架の撤去が進められているが、つい先日までこの上を電車が走っていたとは思えないほど寂れている。
定年を迎えたとたん老けこんでしまった元会社役員のような風情である。


10分ほど歩くと「ふれあい植物センター」に着く

交番の前の橋を渡ると、目的の「ふれあい植物センター」がある。
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冬なので、悪趣味の王様である花キャベツによるお出迎えである。

外からも、温室の様子はよくわかる。
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「出して~~~~!!!」とせがんでいるように見える。


館内に入ると、突然の来客に驚いた空気が漂うこともあるが、すぐ体制を立て直してくるので、入場料100円を笑顔で支払えばよい。
コインロッカーなどはないが、中にベンチ状のものがあり、そこにコートなどを置いて身を軽くし、イマジネーションを働かせることができれば、もうそこは熱帯のジャングルそのものである。

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温室の入り口で、「鍋島松濤公園かいぼりコーナー」による歓迎を受ける。
鍋島松濤公園は、渋谷駅を挟んで文化村の向こうにある、池つきの公園。「かいぼり」とは、池の浄化のために、いったん水抜きをして干すことを指し、「コーナー」とは、一区画の意味である。


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ピラニアがあると、「え?渋谷にピラニアが?」と、うれしさ半分恐ろしさ半分の気持ちになるが、関係ないようで、半分ほっとして半分残念な気持ちになる。
「意外に憶病」という解説での擁護も虚しく、5匹いたが共食いで2匹に減ったとのこと。
なお、かいぼりでワニガメが見つかったらしく、ここで公開予定とのことで、カメファンとワニファンは注目。


また、しぶやホタルの郷というコーナーもあり、冬は単に草がちな水たまりだが、夏はちびっこで大盛況のようである。
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いまはヌマエビ的な生き物が地味に集合している。彼らも共食いが好きだから要注意。


運がよいと、スプリンクラーから水が出るところを拝むことができる。
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雄の鮭が卵に精子をかけているところに似ている。

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中央にはバオバブが植えてある。
バオバブらしさがまだ感じられないところが残念である。
バオバブらしくなるまでこの植物センターが存続することを祈念し、わたしが実際に旅行で見てきたバオバブの写真を貼っておく。
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あかんあかん……ここは渋谷なんや。

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中央には水槽を囲むようにして椅子が置いてあり、ここに座るとたちまちジャングルにいる気分になれる。
10分前は渋谷駅で人ごみに揉まれていたというのに、ワープしたかのようだ。



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よくバナナの実は男性器に喩えられるが、バナナの花も負けてはいない。


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ラフレシアは当然ながら模型での登場となるが、「模型でもいいから大きさを知らしめてやろう」という気迫十分である。
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頭がよくなるサボテンとのことだが、育てると頭がよくなるのか、見ると頭がよくなるのか、食べると頭がよくなるのか、詳細は不明。
見て頭がよくなるのであれば、この写真を凝視すれば事足りるだろう。


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このシダ植物は、見ての通りの名前で、クロコダイルファーン。


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とくに珍しくはないが、アンスリウム。
やはり角度が芳しくないと虫も寄ってこなかったりするのだろうか。


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若者と老人。


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紹介する植物がやや偏っているような気がするので、調整のために、ナミブ砂漠のみに自生している「奇想天外」という希少植物を紹介しておく。
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2枚の葉しか持たず、1000年以上生きるという、その名のとおり不思議な植物だが、それだけではなくて、根元が非常によい感じで、棒のようなものが目立つ熱帯植物園で穴のようなものを見せ、気を吐いている。
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二階ではだいたいちびっこがDSで遊んでいる

階段をのぼる。

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二階では、無料で入場できる子供たちがDSで遊んでいることが多く、じゃまに思うかもしれないが、彼らが二人で老人ひとりを養わねばならない未来に想いを馳せると、せめていまだけではせいぜいゲームでもして楽しんでよ、と思え、若くない者たちは、階段の上からぼんやりと全景を眺めるのがよいのだろう。なお、わたしは角度を工夫して撮ったので、自然に子供のプライバシーを保護できているという点にも着目してほしい。


奥には、図書コーナーや、オカンアート的なコーナーがあり、座れる場所があり、休憩することも可能である。
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どんぐりの実の果皮を頭髪に見立てたくなる気持ちは理解できる。

屋外のおさわり自由のハーブ園も見逃せない

3階の奥の扉を開けると、屋外のハーブ園がある。屋外といってもベランダ感しかないが、ハーブが触り放題なのがうれしい。
かつて「スーパーでは魚が切り身で売られているので魚を知らない子が増えている」という説を唱える人がいたが、タメを張って、「スーパーでは細切れになって調味料のビンに入った状態で売られているので、生えているハーブの姿を知らない子が増えている」という説を唱えたいが、よく考えてみれば、子供はあまりハーブを好まない生き物だ。


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これはオレガノ。


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これはレモンバーベナ。ほかにもレモングラスなどの、「そんなにレモンが好きならレモンの果汁を使えばいいのでは」系のハーブも充実。
わたしはレモンよりもレモンN(Nは任意の文字列)の方が好きだけれど。

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屋外はビルが並んでいて、ああ、やはりここは渋谷であるということに気づく。
そのあと、また温室に戻ると、サウナ→水風呂→サウナ的な気分になれるのだ。


この「ふれあい植物センター」の素晴らしいところは、比較的遅くまで開いているところで、最終入館は17時半。
温室といえば、神代植物公園の温室が工事中である今、代替温室としても注目である。


植物センターを出て帰途につく。
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交差点の向かいにはコンパクト稲荷がある。鳥居の左に社があり、コンパクトすぎてユーモアが漂う。
面積が取れないが豪華な神社を作りたいと考えている神主様に参考になるレイアウト例かもしれない。

30分もいれば満足してしまう、こじんまりとした施設だけれど、渋谷駅から歩いて行ける距離に植物センターがあることは覚えておいてもよいだろう。

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