読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

西表島で遭難…

えー…西表島で遭難しかけて、警察のお世話になったことでおなじみのココロ社です。パトカーにも乗りました。いや、乗せていただきました。わんぱく盛りの人も、この日記を読んで他山の石としていただきたいです。

2日目は西表島のジャングルを探検!島内最大級の滝、落差50メートルのピナイサーラの滝を見るため、マングローブの生い茂る干潟からのぼってのぼりつめて…という計画です。といっても滝はとりあえずの目的で、途中でいろんな生き物に出会う予定でした。
ジャングルって言っても、日本だし、結構開けてるのではと思ってました。滝のそばには自販機があって興ざめしたりするところを想像していたのだけど、これが全然違った。それなりに有名なコースのはずですが、カヌーで途中まで行くのが普通みたいで、歩いていこうというDQNはぼく一人。どこから入っていいのかがわからない。適当に干潟を歩き、マングローブに沿って歩き、河口から上流に向かうことにしました。

ぼくが行ったタイミングは、まだ潮がひいてなくて、水の中を歩かないと行き止まりになっているところが多数だったので、靴を履いたり脱いだりしてました。歩き続けると、何やら目印のようなものが。ガイドブックに「目印があるから安心」みたいなことが書いてあったので、安心して干潟からジャングルに入ったのです…が!入ったが最後、文明人お断りの執拗な底なし沼攻撃。たちまち足はグチャグチャ。たしかに道中には赤や白いテープが目印として木に貼ってあるのですが、目印以外のところは、本当に道なのか判別できません。この時点で「帰れるかな」と不安になりました。しかも底なし沼にデジカメを落としてしまいます。それだけなら無事だったかもしれませんが、泥をとるためにちょっと水に濡らしてしまったのが判断ミスでした。10枚分くらいは撮れたのですが、それっきり動かなくなりました。

30分くらい歩いていくうちに、人の声がしました。よく見ると、川を挟んで向こう側にカヌーが並べてあります。彼らは楽しそうです。ぼくはまったく楽しくないのですが、憮然とした表情で泥だらけで歩いているのもカッコ悪いかと思い、微笑みを絶やさず歩きました。カヌーよりも歩くのが時代の先端なんだと言わんばかりに。カヌーのコースと合流するところで、割とわかりやすい道になり、そのまま滝に行って写真をとりました。

はい。大きいですね。この滝は。行きがつらかったので、那智の滝よりもはるかに近くに巨大な滝を見ているというのに、あんまり感動はなかったです。帰りのことを思ってばかりで気が重かった。

で、問題の帰りです。
カヌーのコースと分岐したあと、徒歩野郎専用コースになって10分ほどすると、「あれ?こんな道だっけ…」という気がしてきました。ルートを示す、赤いテープを探しても見つからない。だんだん、「これって道っぽくないな…」という気もしてきました。ヤバイと思ったらすでに手遅れ。周囲は木に囲まれ、どっちに進んでいいかわからなくなりました。川沿いに行けばかならず到着するはず、と思い、川があると思う方向に進むも、どんどん木々の密度は増し、歩くことが非常に困難になってきました。「これは自力では帰れないな」と思いました。あまりにもあっけなく遭難です。もうちょっとがんばってもいいかなとも思ったのですが、携帯の通じているうちに連絡しないで手遅れになったらそれこそ死亡です。適当に手持ちの電話番号にかけて「警察の番号教えてください」と言ったら、苦笑しながらどこかの主婦が教えてくれました。やー沖縄ってあったかい!物理的にも精神的にも。
ということで警察に電話したら「動いて圏外になったらまずいので、動かないで指示を待ってください」とのこと。

で、座り込んでボサーっとしていると、何やらバイクのような音が…と思ったらアブの飛ぶ音でした。車の音がすると思ったら木の葉が風に揺られる音でした。それって、目が合っただけで「ぼくのこと好きなのかな?」と思うD.T.と同じ発想です。自分のポジティブシンキングっぷりにあきれました。「そうそう、そういえば方位磁石を買わなきゃいけない気がして、わざわざ蒲田で買ったんだっけ」と思って取り出してみると、一応自分の想像している通りの方角が北でした。北に向かえば川とぶつかるので助かるのです。方針は間違ってなかったっぽい。しかし方位磁石が狂っているという可能性もあるな…なにせ持ち主が狂ってるので…と思いながら体育座りで連絡を待っていました。しばらくして消防団の人から電話があって、アドバイスをもらいます。「今日は北風だから、風が来ている方向が北」…方位磁石はやっぱり合ってた!さらに、「マングローブみたいな葉が見えるのですが…もしかしてそれに向かって歩けばいいんですかね?」と聞くと「そうです近いですね!それで少し歩いてみてください」とのこと。で、北&マングローブのある方向へ、道なき道を歩いていく…と!川キタ!しかも河口に近かった!ということで、あっけなく脱出できました。

その後、派出所の人と待ち合わせて、パトカーに乗せてもらいました。そして派出所で事情聴取…ひたすら感謝&平謝りしました。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。昔「いじめ、カッコ悪い」というキャッチフレーズがあって、それが発明されてから、いじめは根絶したとの話を聞きますが、ぼくは「ジャングルの一人歩き、カッコ悪い。」と、声を大にして言いたいです。