ココロ社

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シェフも納得、ウルトラ究極エレベーターの案を無料公開


こんにちは。
エレベーターについて正論を述べておかなくては地球が危ない……という気がしたので夕飯を早々に切り上げて書きました。ぜひご一読ください。

エレベーターの「開」「閉」ボタンが紛らわしくて押し間違えるから新しいインターフェイスを考えよう……という話が定期的に話題になります。わたしも、これらの話をはっはーん、ふふーん、アッハ〜ン、ウッフ〜ンと思って聞いていたのですが、どうも匂います。重要なことを隠しているように思えて仕方ありません。わたしの鼻が陰謀を嗅ぎつけました。まあ急いで生きても仕方ないので陰謀については後で語るとして、まずは話題の「開」「閉」ボタンについて簡単に結論を出しておきましょう。

なぜエレベーターに「開」「閉」ボタンが必要なのか

原点に立ち返ってみてください。弥生時代のエレベーターには、「開」ボタンもなければ、「閉」ボタンもないし、階を示すボタンもありませんでした。誰もが貧しかったけど、夢を持っていたあのころ。エレベーターには何もついていなかった。そもそも「弥生時代にエレベーターが存在した」と主張しているのがこのわたしだけという惨状ですから……。
当時のエレベーターは、あの卑弥呼ですら挟まれ放題だったのです。開発途上のエレベーターは閉まるときにまったく手加減がないですから、卑弥呼先生もよく頬に赤や紫の線をつけていたものです。しかし首長が挟まれていては面子が丸つぶれであり、国の存亡にかかわる、ということで、「開」ボタンができました。そして、そのだいぶあと、鎌倉時代に、幕府のエレベーター部門が予算を消化できなくなりそうになって思いついたミラクルが「閉」ボタン、つまり、その是非について論ずる必要もないというこということなのです。

落ち着いて考えると、「開」ボタンも「閉」ボタンもいらない

「えらい人をはさまない」という目的で成立した「開」ボタンですが、それでも挟まるえらい人が跡を絶ちませんでした。エレベーターに挟まりたいがために出世したのではないかと疑われるほどに何度も何度も挟まれ、頬がこけてたようになってしまっているえらい人もいたくらいです。その原因はというと……「開」ボタンそのものです。なぜえらい人はエレベーターに挟まれてしまうのでしょう?図を用意しておりますのでご参照ください。

……図が分かりにくくて最初から文章で説明した方がよかったですね。「えらい人ほど死角から現れるから挟まれる」ということなのです。そして、それを防止するためには、エレベーターの外の事情通であるところの、ドアの前に立っている人が手でドアを止めた方がいいのです。その方が印象もよい。自分がえらくなったところを想像してみてください。挟まれそうになったからといって、「開」ボタンを小指でピッとされたら馬鹿にされている気分になるでしょう?俺が挟まれそうになっているんだからお前が全身で止めろよ……と思うはずです。本気でそんなことを思う人がいたら病院に行った方がいいと思いますが、つまり、「開」ボタンはあまり合理的でないということなのです。


晴れてお役御免となった「開」ボタンと「閉」ボタンですが(長い間ぼくたちの手を煩わせてくれてありがとう!)、ここからが本題です。エレベーターの話というと「開」ボタンと「閉」ボタンの話をする人が多いですが、あの紛らわしい兄弟のせいで、われわれは大事なことを忘れてしまっています。

エレベーターの根本問題から目を逸らしてはならない

……そう!そうです!エレベーターの根本問題、それは「重量オーバーのブザーを恐れるあまり、まだ乗れるはずのエレベーターを見送ってしまう」という現象です!重量オーバーのブザーが鳴ると、なぜか体重が重いと指摘されたような気がして、「ブー」というブザーの音が「デブー」と聞こえてしまうあの現象です。エレベーター1台につき、1日4人が遠慮したとしましょう。日本には60万台以上のエレベーターがあるので、1日に240万人以上がエレベーターを見送っているのです。なんという不幸でしょう……。この240万人の前では、「開」ボタン「閉」ボタンがわかりにくいことなど、微々たる問題でしかありません。むしろ落ち着いて見たら「開」ボタンと「閉」ボタンくらい見分けられるはずです。この、より重要な課題についての代案を用意したので、エレベーター関係の人や、あまり関係はないですが、エスカレーター関係の人もご一読ください。




(1)あと何人乗れるかをエレベーターの外側に表示する

真ん中が大きくなっているのは善光寺式の仏像をイメージしたからです。あと3人以上乗れる場合は、3つとも点灯していて、2人、1人となっていると人が消え、もう乗れない場合は「満」の字が出るという仕組みです。
なお、この1人分は80キログラムにあたります。つまり、少々体重が重めの人でもブザーが鳴らないようにできているので、点灯しているときは安心して乗れるという仕組みです。





(2)ブザーが鳴っても「太っているからではない」ことが伝わるようにする
エレベーターのブザーが鳴ることは恥であると考えてしまう人が多いです。乗りすぎのブザーは、単に乗りすぎであることを示しているだけのはずですが、あまりにも無機的であるため、「単なる乗りすぎのサインのはずだが、もしかして、乗る人の肉付きや自意識のありようをサーモグラフィーか何かで判定して鳴らしているのではないか?」という疑惑が頭をもたげてくるので、きっぱりと「体重が重いわけではない」あるいは「体重が重いことは恥ずかしいことでもなんでもない」と明言してあげることが大切です。
いろんなバリエーションの音声ファイルを吹きこんでみたので参考にしてみてください。
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(3)より恥ずかしい歌を流して、ブザーのことは忘れてもらう
エレベーターに乗れなかった人は人々の記憶に残ります。乗れなかった人としてはすぐ忘れたいはずなのに……。エレベーターのBGMとして、エレベーターのブザーが鳴ることよりも恥ずかしいシーンを描いた歌を流すことで、「ああ、さっきの人の恥ずかしさなんて本当に取るに足らない」と思ってもらえるのです。こちらも参考例を吹きこんでみたので参考にしてみてください。
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今回は、エレベーターについて前向きな提案をさせていただきましたが、エレベーターに関するみなさんのモヤモヤ感が晴れることを願ってやみません。もともと誰もモヤモヤしてないような気もしますが……。


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