ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

書籍や連載の話がくる、ブログ運営の方法

すでにご存じの方もいらっしゃると思いますが、7月2日に、『クビにならない日本語』という本が翔泳社さんから出ます。
タイトルどおり、サラリーマンとしてまったり暮らすための処世術の本です。
まあ、コミュニケーションスキルを適度に磨いていれば、自動的にそこそこの成果もついてくるものですけどね…


クビにならない日本語 成果を出さずに平和に暮らす! 究極のコミュニケーション・テクニック

クビにならない日本語 成果を出さずに平和に暮らす! 究極のコミュニケーション・テクニック


…という話だけだと楽しさゼロだと思うのですが、ここからが本題なので帰らないで!
今回の書籍のお話は、編集者さんが先見の明をお持ちだったことが(どう見てもビジネス書なんて書きそうにないのに、よくお声がけくださいました…ありがとうございます!)大きいと思いますが、わたしが計画的に「本を出すためには?」「連載の話が来るには?」を考えながら行動していた結果とも思います。

ということで、今回は、「この戦略を実行していた」というのを紹介させていただきます。連載やら書籍に全然興味のない方も多いかと思いますが、「ブログを書く上でなにか目標的なものがほしい」という方は参考にしてみてはいかがでしょうか。

ということで、実行した5項目を紹介させていただきます。

(1)炎上を恐れる必要はないが、もらったコメントは次の記事に必ず生かす

実は、今回の依頼をいただいたときに、編集者さんが挙げてくださったのは、「「考えない勇気」を持てば、頭がスッキリ」でした。当ブログにおいては、わりと「炎上」した部類に入る記事です。他にも連載の話や書籍の話はいろいろいただいていたのですが、ほかの編集者さんもこの記事を挙げてくださる方が多かったです。その意味で、炎上それ自体について、神経質になる必要はないと思います。
ただ、批判的なコメントをもらっても読まなかったことにするのは、自分も成長しないのでオススメできません。コメントは必ず次の記事に生かすようにした方がいいです。1つ1つに応答する必要はないかと思いますが、批判的なコメントがついた場合は、少なくとも自分の中では次回に乗り越えられる状態にしておかなければならないと思います。反論できない場合は普通に反省すればいいだけの話です。
もちろん、ほめてもらえることもありますが、そのときも「特にどこがよかったのか」を読み取り、次回もその要素を盛り込んでおくと手堅いです。

(2)アクセス数を犠牲にしても、個性は出しておく

「アクセスが多い記事」と「編集者さんから声がかかる記事」はちょっと違うようです。個性を出すとアクセスが減りますし、自分をゼロにするとアクセスが増えます。
アクセスが増えるのは、情報量が多いとか、まとまっているとか、コメントしたくなるとか、そういう記事です。同じ時間をかけるのであれば、自分で書くより、他から持ってきた記事の方が、アクセスは絶対増えますし、文体にもクセがない方が、すんなりと情報が取り出せるので人気が出ます。
しかし「他でもない、この人に依頼する」という決め手がないと連載や本の話は来ません。アクセス数が減ることを覚悟しても、「自分らしさ」というか、「自分にしかない価値」は何であるかを考え、目先のアクセスにとらわれずに織りこんでいくことが重要だと思います。その競争力というのは、たとえばわたしの場合は、「社会性のあるド変態」というところでしょうか…これをお読みのみなさんは、もうちょっとマシな競争力をお持ちかと思います…。
また、他所の記事の引用は避けた方がお得です。編集の方は、問題設定から自力でできる人を探しているからです。

(3)批判やアイデアだけを書かず、使える記事を書く

どちらかというと、わたしは役立たない情報の方が好きなのですが、「常人は役立つ情報が好きである」という事実に気づきました。その当たり前のことに気づいたのが3年くらい前です、どんだけ気づくのが遅いんだよ…ということですが、批判やアイデアだけを書くのって、楽だし、気分もスッキリします。しかも、解決策を書いたときよりもアクセスが増えます。なぜなら、代案や反論をコメントしたくなって盛り上がるからです。そこで「ちゃんと書くとむしろアクセスが減る」という不可解な状況が発生します。
アクセスを増やしたいというのが目的であるなら、「あえてちゃんと書かない」という戦略もありますが(わたしも、多少のツッコミどころを意図的に準備したりすることもありますが)、そうなると、記事の完成度が低くなってしまいますので、必ず問題提起と解決策はセットで提示しておくといいと思います。

(4)プロフィール欄は充実させておく

わたしもそれなりにプロフィール欄に情報を書いてきたと思うのですが、それでも「正体不明」という印象が強いらしかったので、原稿の依頼が来るためには、少なくともわたし以上にはしておかなくてはならないと思います。また、「この人に依頼しても、最後までちゃんと書いてくれる」という確信が得られるよう、出せる限りの情報を出します。いちばんいいのは実績ですが、これは少しずつ積み上げていくしかありません。わたしも一回目に雑誌の依頼をいただいてから、「あの記事を見たのですが」「プロフィール欄にある、今までの仕事を見せていただきました」という形で、次々と依頼をいただくようになりました。

(5)更新頻度を犠牲にしてもいいので、作りこんだ記事を書く

更新頻度を上げることは、本を出したり連載を持つにあたっては意味はありません。ネタが多いことを示すために、過去ログの量はあった方がいいですが、じっくり長期間にわたって記事を増やした方がよいです。
更新頻度を上げるために完成度を犠牲にするのは、書籍を出したいと思う場合には不向きです。なぜなら、たまたま編集者さんが自分のブログを見たときに「うーん…この人のブログはちょっと詰めが甘いけど、磨けば光る原石のようだ」と思うことはまずないからです。編集者さんは最初から出来上がっている人に書いてもらいたいと思っているのです。当然ながら比較対象はほかのブログではなく、ほかの書籍や連載なのですから、書籍や連載並みの完成度がないと土俵に立てないのです。


ということで、以上の5項目ですが、「ブログ書いてるけど、最近あんまし楽しいことないわ〜」とお嘆きの方は参考にしていただければ大変ありがたいです。

お役立ち情報が一段落したところで本の話を続けます

昔からこのブログを読んでくださっている方は、「あのオッサンが、よりによってビジネス書を書くとは夢にも思わなかった」という感想をお持ちかと思いますし、自分自身でもそう思います。
ビジネス書といっても、もちろんお金儲けとか仕事をうまくやる術の本などではないところがココロ社ですが、「どうやってまったり生きるか」についての本です。

で、まったり生きるためにポジティブ教を装うときもたまに必要になったりして、ちょっと気が重いかもしれませんが、まあそれはそれ、別に心を売り渡すだけじゃないし…妙に斜に構えるとそれはそれで退社時間が遅くなるし、収入も減るかもしれません。
斜に構える場合でも、「無料で斜に構えることができるか」というと、そうでもなくて、あまり有名でないバンドのCDとかを買って聞いたり、ちょっとアーバンな感じのポロシャツを買って街に繰り出したりするのに時間やお金が必要になると思いますが、それならポジティブ教を装った方が、もっといろいろ買えていいよ…ということでもあります。


5年前のわたしは、「サクサクと仕事をして、アフター5には執筆活動とかできるといいなー」というささやかな夢を抱いていたわけですが、まさにその方法についての執筆をしていることで夢を実現しているという、なんだかマトリョーシカみたいな状況でよくわからなくなってきたのですが、今後もいろいろ愉快なお知らせができそうなので、お引き立てのほど、なにとぞよろしくお願いいたします〜!


クビにならない日本語 成果を出さずに平和に暮らす! 究極のコミュニケーション・テクニック

クビにならない日本語 成果を出さずに平和に暮らす! 究極のコミュニケーション・テクニック