ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

やすらぎの郷 会津村

会津若松駅から1駅(だがタイミング悪かったら3時間くらい電車を待たねばならない)のJR広田駅から歩いて30分くらいのところにある。全高57メートル・工費10億円・インドの方向を向いている会津大慈母観音がシンボル、というか、広い庭園とこの観音像くらいしかない。

もちろん中に入れる。四天王寺の塔と同じような感じ。1万体の仏がある。ただし、予算の制約があったのか、展望スペースはなし。景色は小さな窓から覗くしかない。観音の首のあたりが頂上になっていて、観音のミニ版があるばかり。

 

新しめの仏教ゾーンにありがちなことに、みつをウイルスがここでも猛威をふるっている。階段を上る途中にいくつか置いてある。
あいだみつを、すでに死んでいるのでいいんだけど、生きてたら死んでほしいと思うくらいダメ。助けてほしいくらい。補足しなくていいのかもしれないけど、「かたずける」ではなくて「かたづける」。人間、ここまで弛緩したら終わりだろう。とりあえずアワフキムシの卵の写真で口直し…

ほかには、釈迦が横たわっているところとか、閉鎖中だが入れる忍者屋敷がある。忍者屋敷は、入り口が斜めになっていて床も傾斜している部屋があり、そこを抜けると、決して迷うことのない迷路がある。

庭園には池があり、鯉が泳いでいるのだが、観光客が少ないため、飢えに飢えている。エサを与えようとすると、鯉が密集しすぎて不安な気持ちになる。



そして、ホームページはここ。訪問者が少なくて気の毒だが、ここも見どころいっぱい。
この不思議テーマパークの創立者は芳賀磤之助さん(故人)。

エピソードが振るっている。

ふだんはジャージの上下に会津のスゲ笠をかぶって外で仕事をしているから
全然取締役の人には見えない。
会津村の建設にあたっては全て自分で設計し、 ブルドーザーを動かすことから巨石運び、植木仕事、 なにからなにまで労働を共にして決して人任せにすることはなかった。

自ら現場で働く社長キタ!普通「社長がいつまでも現場で働いている会社は伸びない会社」というのがセオリーだが、掟破りな経営方針ですな…ワンマン社長がの妄想がすみずみまで行き渡ったテーマパーク…退屈なはずがない。ぼくもいつかはテーマパークを…って思う。故郷の大阪府四條畷市にココロ村を作りたい!
また、ポエムが味わい深くて泣かせる。

旅はとても不思議な生きもの
若いころは青い旅があり
働き盛りのころは貪欲な旅があった
そして今は味わい深い旅
それはまるでひとりの人間の生き様に年を重ねるにしたがって模様を変える
でもどの旅もそれぞれに楽しかった
充実した時をそこで過ごした。
そしていつの頃かロマンを追い続けている自分の姿に気がついている
だからきっとこれからも旅に出るだろう
なにかを求めて

旅を生き物にたとえるセンスが素晴らしい。小説を書いたりするとき、こういうのを参考にするのだけれど、普通の感覚の人が読むと、単に下手な比喩にしか見えないところが難点。比喩にあえて失敗してみたりするのだけれど、その面白さを誰も理解してくれなさそうな気がする。