ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

会津・さざえ堂

ちょっと前から見に行きたいと思っていたのですが、ゴールデンウィークでも混んでなさそうでいいかなと思って行くことにしました。

さざえ堂は、1796年に建立。正式には「正宗寺・円通三匝堂」という名前。もともと寺の一部だったけど、神仏分離令で正宗寺自体はなきものにされてしまった模様。場所は会津若松の駅から歩いて30分ほど。厳島神社の奧にあり、今となっては神社の建物の一部のようにすら見える。
外見はこの通り。床が斜めになっているところがよくわかります。木造でこの作りは例がないらしい。んーかっこいい…

で、中に展示されているのものの変遷が面白い。

最初は西国三十三観音像→神仏分離令で取り外される→明治に入って、白虎隊十九士の霊像が置かれる→「皇朝二十四孝」の絵額が掲げられて現在に至る

ということで仏教色は取り除かれ、国家神道の要請に従って「ちょっといい話館」になっているところが笑えます。こんな感じで。


内部は二重螺旋構造になっていて、かなり急な坂をのぼることになる。一番上は橋のようになっていて、渡りきると今度は下り坂。一度通った道は二度と通ることはありません。他の地域にもさざえ堂と名付けられたものがありますが、主に西国三十三観音を一気にお参りする目的のもので、螺旋構造ではない。

ちなみに、今は白虎隊十九士の霊像は外に置かれているんだけど、とてもしんみりできない可愛らしさ。これでどうやって冥福を祈れというのかわからん。

あと、記念碑があるのだけど、ピサの斜塔は…はずかしいと思う。これ、まだ戦前のナショナリズムの昂揚から生まれた言説ならいいんだけど、そうではなくて、昭和40年代あたりからさざえ堂が見直されてきたらしく、その中で書いてしまった言葉みたい。和製マドンナ的な貧しさを感じます。