ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

今日書いた小説の一部

全然推敲していないけど。
今日はそこそこ書けた、が、これからペースをあげないとまずい。
書き切ることはできても、あまり満足のいく物が書けない悪寒…
「とりあえず出す」という形で、後日大幅に改稿してどこかに出す可能性もあるかなぁ...



 「もし、絶対にやらないと言ったらどうなります?」
 「一族根絶やし、と言いたいところですが、今では残念ながらそういうことができません。止むを得ず、最近は「モダン制裁」で、結果として根絶やしになるように仕向けるのです。」
 「なんですかそのモダン制裁というのは。」
 「手短に説明しますと、狙撃などの手段をとって殺すのではなく、間接的に死へと仕向けるのです。ギロチンなどの前近代的な処刑ではなく、野蛮さをみじんも感じさせない、また、作戦に従事した者の良心も痛まない、だからモダンな制裁なのです。
 たとえば、眼鏡屋の店員と結託して、眼鏡の度数を片側だけ少し下げて立体感や距離感を得難くし、車に轢かれやすく、ヤクザにぶつかりやすくする。あるいは、家屋を崩壊させて圧死させるため、白蟻が好む湿度の高い環境を作ります。汗っかきのマラソン好きの人々に金品を与え、毎日のマラソンコースにあなたの家の周辺を入れてもらうようにする、などです。他にも方法は108つありますが、知らず知らずのうちにお亡くなりいただきたいので、あえて紹介しませんが。」
108と聞いて、悟は人間の煩悩の数と同じだと思ったがそのことについて彼には何も言わなかった。実際、彼の読みは正しかった。この「モダン制裁」は、人間の煩悩一つ一つを利用して死に至らしめるという手法を取っていた。
だが、二つ分例示されていることを勘定に入れていなかった。彼らは煩悩を新しく二つ定義していた。