「異世界に身を置いている比較的まともな人間」として異世界の異世界っぷりをレポートしている前半部分は、やっぱり説明臭くてそんなに好きではない。
いつもたたみかけるように異世界の説明をするので、わざとらしいと感じてしまうし、何より「常識的な読者」との距離をしっかり測定しながら説明している感じなので、帯のあらすじほど奇妙だという印象が得られない。
面白いのは、途中から神話をワイルドに書き換えるところ。すごく参考になりそう。ただあらすじのような形でずーっと続くので疲れた。この部分、もっと読みたいので詳しく書いてほしかった。もし今書いている小説に神話などの書き換えがあるときは注意したいが、それなりの大作でもこうなる、ということは、今回書こうとしている100枚足らずというボリュームの中で、どう書くかは大きな課題。