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ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

会話の途中にクイズを挟んでくる人って何なの?


こんにちは。今回は「会話中クイズ問題」という、深刻な社会問題についてお話しさせていただき、その有効な解決策について提案させていただきたいと思って意気込んでおります。


話のつまらない人間ほど話の途中でクイズを挟んできて、考えることを強いてきたりします。話がつまらないわ、クイズに答えなくてはならないわで、日常に潜む拷問といえますが、あれはなんなんでしょう?
「クイズくらいいいじゃん」とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんので、どれだけ面倒かを実感していただくため、サンプルを作ってみました。

クイズ子:ちょっと聞いてよ、さっき法務部に問い合わせの電話をしたんだけどすごく腹が立って……
ノーマル子:何があったの?
クイズ子:いや、契約書を作ってててちょっとわからないことがあったから聞いたんだけど、一応ね、「ご担当の部門がわからなかったのですが、こちらでよろしかったでしょうか」って聞いてみたのよ。
ノーマル子:ふーん。それで?
クイズ子:それで、向こうは何て言ったと思う?当ててみてよ!
ノーマル子:うーん………「担当者から折り返し電話します」とかかな?
クイズ子:ブブー!そんないい感じなわけないじゃない!
ノーマル子:じゃあ、「確認します」かな……。
クイズ子:ちがうちがう。正解は、「わたしの担当ではないですね」。しかも誰が担当かも教えてくれないしさー
ノーマル子:そっか……。


日常的に遭遇するシーンではありますが、この話、全然面白くないですよね。クイズ子がすごい美人などだったら「我慢して聞いてたらいいことあるかも」などと思わなくもないですが、そういう場合以外はちょっとお話は遠慮したいところですよね。


しかし、なぜこのクイズ子はクイズ形式にしたのでしょうか。会話中にクイズを挟んでくるときの心理の分析とその法則について解説をさせていただきますね。



(1)「会話中クイズ」とは、つまらない話を聞かせるためのテクニックである
面白い話の場合は、もったいぶらずにそのまま話す方が好まれます。話す方も早く話したいし、聞く方も早く聞きたいと思うからです。
それに対して、言いたい話が面白くない話だったり、本当は面白い話なのに圧倒的に話術が欠けている場合で、かつどうしても聞いてほしい場合、「クイズ形式にすることで生返事を許さない」という作戦が採られます。
人をクイズに走らせる心理、それは学校で退屈な授業をちゃんと聞いてもらうために生徒を当てるのとまったく同じ原理であり、悲劇なのです。



(2)「会話中クイズ」とは、愚痴か自慢、ウンチクの披露のどれかである
会話中クイズは3つのパターンがあります。

A)愚痴
【例】たしかに、わたしも浮気したから偉そうなことは言えないけどね、ひどい言い草だったんだから……。携帯のメールを見せて詰め寄ったとき、彼はわたしにいったい何て言ったと思う?
→「わたしがどれだけひどい目にあったか、聞きながさずに主体的に考えて」という意味です。


B)自慢
【例】俺のことを見て、彼女は何歳に見えるって言ったと思う?
→「俺がどれだけ若く見えたか、聞きながさずに主体的に考えろ」という意味です。


C)ウンチクの披露
【例】働きバチって1日何時間くらい働いてると思う?
→「俺が得た驚くべき情報に、キミはついてこれるかな?」という意味です。

愚痴も自慢も、ウンチクの披露もまったく面白くない話題であるという意味で共通点があります。だからこそ、主体的に聞いてもらうために、クイズの体裁を取って相手から無理に反応を引き出そうとするのです。



(3)「会話中クイズ」とは、正解するとガッカリされるものである
会話中のクイズは厳密に言うとクイズではありません。なぜなら正解を出すことが許されないクイズだからです。たとえば、正解してみたらどうなるでしょうか。

クイズ子:それで、向こうは何て言ったと思う?当ててみてよ!
ノーマル子:「わたしの担当ではないですね」って言ったんじゃない?
クイズ子:あ……そ……そうだよ……よくわかったね……。

せっかく当てたというのに、反応がイマイチになるものですが、なぜかというと、クイズを出題した側は、答えとしてかえってくるものよりも正解の方が興味深いものであることであることにより、「意外〜」と言わしめてオーガズムに達するという特殊な性癖の持ち主なのです。

「会話中クイズ」をブロックする方法

以上により、話の途中にクイズを混ぜる人は、会話力が乏しいと同時に自己中心的な性格の持ち主であるということが判明したのですが、話にクイズを混ぜてくるくらいで絶交してしまうというのも少々大人げがないので、「この人には二度とクイズを出題しない」と思ってもらえる小粋な受け答えの3つのテクニックを伝授させていただきます。状況や気分に応じてレベルを調整してお使いください。



【レベル1】「わからない」の一点張り
会話中クイズの法則ですが、答えを知りたいというこちらの気持ちより、答えを言いたいという向こうの気持ちの方がはるかに大きいのです。こっちとしてはつまらないから話題が変わってもOKなくらいですからね。つまり、クイズを出題しても「うーん…わからないなぁ」ばかり言っていると、しびれをきらして正解を発表してくださいます。

クイズ子:このコート、意外に安かったのよ。いくらだと思う?
ノーマル子:わからないねー。
クイズ子:あてずっぽうでもいいから言ってみて!
ノーマル子:うーん…見当もつかないねー。
クイズ子:あぁぁぁあああ!もう!2万円よ!にまんえん!!!!
ノーマル子:フーン……。


【レベル2】想定以上の解答をして話を台無しに
クイズの出題者は、クイズの答えを受けて、「残念でした…正解は」→「え〜〜!」という展開を期待しています。これを「残念でした…正解は」→「なーんだ」という展開にすると、失意のどん底を味わうことになり、涙ながらに「二度とクイズなど出すまい」と決意してくださいます。

クイズ子:このコート、意外に安かったのよ。いくらだと思う?
ノーマル子:1円!
クイズ子:……。
     そんなに安いわけないじゃない…2万円。
ノーマル子:意外っていうから1円くらいかと思ったんだけど、普通の値段だよね……
クイズ子:……。


【レベル3】不当な景品の要求
レベル1・2を繰り返してもクイズをやめないクイズマニアには最後の手段を講じるしかありません。クイズについて、最悪の形で話の腰を折る方法が、不当な景品の要求です。

クイズ子:このコート、意外に安かったのよ。いくらだと思う?
ノーマル男:当てたらオッパイ触らせてくれる?
クイズ子:じゃあもう当てなくていいよ!

提示する景品をえげつないものにすればするほど、出題した側の意欲を削ぎますので、あなたのご立腹の度合いに応じて景品を提示してみてください。



うざったい会話中クイズに悩まされている善良なみなさまにおかれましては、以上を参考にして、クイズフリーな生活を送ってくださいませ。
ちなみに、ぼくが耳にした最悪のクイズは「わたしが何で怒っているのか、当ててみて」というクイズでした。有名な嫌われ者でしたけどね…