ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

ポジティブな言葉をネガティブに言いかえると、むしろ幸せになれる

こんにちは。最近は珍妙な本を出してばかり、前衛的ビジネス書のリーディングカンパニー、ココロ社ですが、明日(6/25)にネガティブシンキングの本を出します。「マイナス思考法講座 プラス思考をやめれば人生はうまくいく」です。

プラス思考をやめれば人生はうまくいく マイナス思考法講座

プラス思考をやめれば人生はうまくいく マイナス思考法講座

タイトルもアレですが、これがストレンジな本であることは目次をご覧になるとよりよくわかると思います。

第1講:あなたはくだらない存在です
第2講:あなたは嫌われています
第3講:誰もあなたの話を聞いていません
第4講:あなたの話は面白くありません
第5講:あなたは恨まれ、攻撃されます
第6講:あなたは空気が読めません
第7講:人はわかりあうことができません
第8講:あなたは成長できません
第9講:弱音を吐くことは許されていません
第10講:人はみな悪人です
第11講:恋愛はすべて「脈なし」です
第12講:あなたは何をやっても失敗します
第13講:本当のあなたを知る人はいません
第14講:あなたの夢は叶いません

いちおう1日1講、2週間で生まれ変われるようにしたのですが、生まれ変わってどうするねん、って思いましたよね…
目次を見ただけで鬱になる…こんな自己啓発書が許されるのでしょうか。しかし鬱にならないと本当の意味で自己を啓発することにはなりません!この14講がドンヨリしながらも素晴らしい人生の指針となるはずです。

それぞれの講義は「絶望ワーク」と呼ばれるワークから始まって、「自分は大丈夫」と思っている人でも、現実がいかに厳しく絶望的であるかを体感し打ちのめされるというハートフルな仕掛けにしております。そのあと、具体的にどうやってマイナス思考を人生に適用していくかについてお話しております。


―と、お知らせだけだと感じ悪いかなーと思うので、今回の記事は、端的に、口にしがちなポジティブ言葉をネガティブに言いかえることで幸せになる方法について書かせていただきたいと思います。単純に言葉をネガティブに言いかえていくだけで、状況は少しマシになるのでお試しください。

(1)× 今日はよくがんばった! → ○ 仕事のやり方がまずいのかも…

自分で自分をねぎらいたくなる瞬間はあるものですが、よく考えてみれば、そもそも、1日がんばらないとやっていけないというのは、生きるスキルがないのかもしれず、それは喜ぶべきことではないのかもしれません。同じ成果があがるのであれば、がんばらない方がいいに決まっていますし、がんばったかどうかで人生の価値が決まるというのは、まさに苦痛を修行と読み替えて現世のいやなこといろいろについて、自分自身を我慢させるための方便にすぎません。自分をほめちぎってそのまま墓場まで自分を騙していける自信があるのなら話は別ですが、自己催眠能力に自信がない方は、そこでネガティブな観点、「1日がんばらなきゃいけない自分って何?」という自問自答をし、何らかの改善策を考えた方が長い目で見るとお得です。

(2)× 自分大好き! → ○ 自分なんて大嫌い!

自分に自信を持つことは大切ですが、「自分はステキ」と思いこむループに入ってしまうと、自分のすごいと思う点について思考を巡らすばかりで、気分はいいかもしれませんが、時間の無駄にすぎず、成長はしません。
企業活動について考えると正解はすぐ出るのに、こと人生となると正解が出ないものです。ふつう商品を作ってそれがそこそこ売れたにしても、まともな企業なら顧客の声を拾って、ヒットしていながらも至らない点はなかったか探ると思います。「売れたねぇ…えっへっへ」と思うだけの会社は、よっぽどですよね。
人生もそれと同じで、自分はダメだと思ってはじめて、ダメな点をどうすれば改善できるかについて考えることができるのです。

(3)× これはチャンスです!→○ こういう危険性があります

よく「成功をイメージすると実際に成功しやすくなる」と言いますが、成功をイメージしたから成功したのではなく、具体的に物事を考えたから成功しただけの話であって、成功だけをイメージして失敗をイメージしないのであれば、成功するわけもないのです。「不況こそチャンスだ」などと言う人がいますが、本当にチャンスだったら、みんなが不況を待ちわびるはずで、そんな簡単なことをもわからないようでは、成功はおぼつかないのであります。当然ですが、失敗のイメージを具体化してリスクを避けてこそ、成功する確率が上がるのです。



以上、一言でまとめると「反省する人は成長し成功する」という話にすぎません。「そんなの当たり前やん…」と思った方も多いかと思いますが、なぜその当たり前の思考をする人が少ないのかというと、ポジティブな言葉の多くは、自分が何もしないことを許容する、口あたりのよい言葉だからです。そりゃあ、「そのままでいいよ」と言われたら、それが少々うさんくさい人物であったとしても、聞きいれたくなってしまいますよね……。
なお、念のため言っておきますが「どうせ自分なんて…」と、諦めの言葉を口にするだけで何もしないのは、マイナス思考のように見えるかもしれませんが、むしろプラス思考の極北です。なぜなら「自分なんて…」と諦めたふりをしたらなんとかなると思っている楽観主義に他ならないからです。


どこをどうやって反省して生きていくのかについては、本屋さんで手に取って読んでいただければありがたいです。買ってなどと図々しいことは言いませんが、多くの人に読んでいただければ、ドンヨリしながら書いた甲斐もあろうというものです!