ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

「〜する、たったひとつの方法」をうまく書くための、たった一つの方法


今、ブームといえば…そう、ウーパールーパーですね。
あの白くて柔らかそうな皮膚、むき出しの感じが最高…全身性感帯っていうイメージです(^v^)
―冒頭からボケると読者が逃げてしまうことを知りながら、やめられなくて困っているのですが、正気に戻ります。


今、ブームなのが「〜するたった一つの方法」というタイトルの記事。ネットのあちこちで見かけますが、これをお読みになっている皆さんも「よし、ワシも『〜するたった一つの方法』をいっぱい書いて有名ブロガーになり、女にモテまくりたい*1」とお考えのところかもしれませんが、あわてることなかれ…「〜するたった一つの方法」をただ書くだけでは、成功するとは限りません。下手に書いてしまうと、羊頭狗肉(まあラムが嫌いな人にとっては羊頭の時点でドン引きでしょうけど)であるとガッカリされて愛読者にザ・グッバイされるおそれがあるため、下記を実行することをオススメします。


「冒頭で、常識と逆のことを太字で言う」


これに尽きますが、お手すきの方や、忙しいけどココロ社を読む時間は別腹とおっしゃる方(ありがとうございます!)は、なぜこう言えるのかについて、以下の解説を参考にしていただければ幸いです。

「常識的な内容を、常識と逆に見せる」テクニックを使い、読者を「お?」と思わせる

たとえば、「英語を身につけるなら、英語を勉強するな」というのは魅力的な言葉ですよね。英語は、一般的には、勉強して身につけるものであり、「英語を勉強して成績が下がった」という人はいないから、意外に思います。
が、「英語は勉強するな」メソッドの蓋をあけてみると、「習うより慣れろ」という話で、慣れるところも含めて勉強だし、また、慣れるまでやるのはそれなり時間がかかるので。特にショートカットできるわけでもありませんが、読んでみると、英語力を身につける上で、誰もがうなずける話ですよね。

このように、単に「勉強」の定義を意図的に狭めてタイトルをつけるだけで、斬新な印象を与えることができるので、とりあえず、「常識的な内容について考え、それをどうリネームすれば破天荒なタイトルになるか」について考えればよいのです。
ゆめゆめ、破天荒なタイトルで破天荒な内容を書くことなかれ…そんなことをしたらブロゴスフィアが壊れてしまいます☆彡

自分の言いたいことではなく、読者の言いたいことを書く

人は文を読むとき、自分の意見に合致するところを中心に読み取ります。新しい意見や考え方というのは、非常に読み取りにくいものです。特に読み流しモードに入ると、「自分の考えに沿って読み取り、自分の考えと違うものはインクのシミとして読み飛ばす」という動きを取ることになります。
自分が変わらなくてよい、ということを確認するための読書ですが、このことは別に悪いことでも何でもなく、逆の場合を考えてみればわかると思いますが、「1冊1冊が自分と本とのぶつかり合いで、本を読み終わるごとに新しい自分が誕生している」というような読み方をしてしまうと、それはそれで体が持たないし、新しい自分が誕生したら会社を辞めたり彼女と別れたり妙な宗教に入信したり…などのオプションが待っているかもしれません。
現状を打破したくない夜もあるの…ということで、どちらがいいとか悪いとかいう問題ではないと思いますが、自分の言いたいことを、うまく書いてある文を好む方が多いので、その需要をうまく満たしながら書いていくべきでしょう。

常識と「違う」方法ではなく、対立構造を明確にし、常識と「逆の」方法にする

「たった一つの方法」は、あくまで「常識と逆」のことを言う方がいいでしょう。ノーマルな感性を持っている人は、たとえば「阪神VS巨人」という二項対立のフレームで物事を考えるのであり、いくら現実が、「阪神VS巨人VSオール巨人VSお弁当屋さん」という構図であったとしても、それをそのまま書いてしまうと、把握するのに骨が折れます。

たとえば、「不況に勝つたった一つの方法は、会社を今すぐ辞めること」という趣旨の記事と「不況に勝つたった一つの方法は、次の仕事を決めてから会社を辞める」なら、前者の方が読まれます。後者の方がどう考えても実戦的ですが、インパクトが弱いです。常識である、「この不景気なら会社は辞めない方がいいかも」という観念の真逆に位置する方が目を引きます。もちろん、「常識の真逆っぽいけど、よく読むと正論」というのが大事で、徹頭徹尾、常識を覆すような内容を書いてしまうと、ブロゴスフィアが壊れてしまいます☆彡

「逆」というのはまた、「想定内の意外性」ということでもあります。「想定外で、かつ意外」だった内容を書いても、それはディスプレイのドット抜けとして扱われ、読み飛ばされてしまう場合が多いです。ココロ社に書いてある内容のほとんどはそういう扱いを受けていますが…

結局、「1つの方法」でおさまるわけはないので、解説でフォローしておく

ということで、「1つの方法」とか言いながら、いろいろ書いてるやんけ!と思われた方もいらっしゃるかと思いますが、まったくもってその通りです。常識と逆のことを言って、読者の目を引いたあとは、丁寧に正論を書き連ねていけば、読者にとっても役立ち感がアップし、納得していただけます。なお、本当に一つの方法のみについて書くのは読者に対する裏切りです。「真理はシンプルである」というのは妄想というか、シンプルなものを取りあげて「真理」と呼んでいるだけの話であり、真理からは遠くなってしまうので、それなりに丁寧な解説で補うのが吉、です。



以上を踏まえて、実例を作ってみます。

女にモテるただ一つの方法


「それはモテたいと思わないこと」


女にモテない男とは、ズバリ、余裕のない男です。ほとんどの女性は、男には「頼りがい」を求めているもの。なのに、モテたいと思って男性があれこれ策を労じているところを目の当たりにすると(心が)乾いてしまい、(心の)角質がパサパサになってはがれてしまいます。
なので、「モテには関心がない」というふりをすることが重要になってきます。


もちろんそれは、演技の問題にすぎません。策は打っておくのですが、それが策であることは悟られないようにするのです。たとえば、つい出てしまう自慢話。自分のすぐれた点をアピールしようとするのは問題ないのですが、単にセールスポイントについて話すのであれば、お目当ての人を、CMを見る刑に処しているのと変わりません。セールスポイントを頭に入れてもらうための面白エピソードにするなど、セールス色を薄めて、「相手の耳に優しい自慢話」を行うべきなのです。


悪い例が「モテには興味ないけど…」と言いつつあれこれ言うこと。無関心を装いながら、屈折した思念が渦巻いてしまうので、「モテという概念を忘れていた」という態度の方が、よりモテ度がアップします。

特別なことは何一つ言っていませんが、最初の一言が、常識の逆風味になっています。
ポイントにする一行と、正論を適当につなげるだけの話なので、わりと簡単にできると思います。


以上、アクセス不足にお悩みの際には、参考にしていただき、「たった一つの方法」を、あなた色に染めてみてはいかがでしょうか(#^.^#)

*1:知っ得情報:この認識は必ずしも正しくはありません。実は…ブログの知名度とモテ度は、あまり相関関係がありません。ブログをきっかけにモテたい人は、「恋愛に消極的な人にオススメ、待ちモテの術!」をどうぞ…