ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

羽化に失敗したセミの幼虫たちの写真集

さすがに秋らしくなってきて曼珠沙華も咲き始めましたね。今回はいつもとムードが違いますが、今年の夏をしんみりと振り返らせていただきたいと思います。
一般的にセミというと、うるさいとか、飛び立つときにシッコするのやめろとか、あまりよい印象をお持ちでない方も多いと思うのですが、そこらへんでミーミー言っていた彼らは必死で生き抜いてきたのです。ミーミー言う彼らの陰には、飛べないまま天に召されたたくさんの幼虫たちがいます。今回は、そんなかわいそうな幼虫たちのことを忘れないでほしい、という気持ちを込めて特集させていただきます。


これは、木の根に引っかかって、そのまま地上に出られずに死んでしまった幼虫です。地上の明るさにびっくりしたことでしょう。次は根っこを避けて穴が掘れるといいね。▼



無事、地上に出られても、羽化するにふさわしい木を見つけられず落とし穴にはまってしまう幼虫もいます。人間にとってはどうってことのない段差も、セミの幼虫にとっては絶望的に越えられない壁なんですね。▼



また、木が見つからなくて、一か八かで、コンクリートの壁などにつかまって羽化を試みる幼虫もいますが、風に吹かれて地面に落ちてしまい、途中で羽化が止まってしまう場合が多いです。手伝ってあげようにも、完全に固まっているので無理です。▼



また、殻から出ることができても、羽を伸ばせないとそのまま死んでしまいます。さっそくアリがたかっています。お前ら、感謝しながら食べろよ…▼



ほぼ傾斜のない葉の上に抜け殻があって、「こんな場所で羽化できるのかなぁ」と思って近くを見ると、やはりバランスを崩して、羽が折れ曲がってしまっていました。▼



セミの抜け殻がたくさんある中で、1体だけ黒々としている抜け殻をたまに見かけますが、これは羽化できなかった幼虫です。うまく踏ん張れなくて背中が割れなかったんでしょう。▼



ある日の夕方、公園を歩いていると、道路にセミの幼虫が…まだ日が高いうちから大丈夫でしょうか?

動いているところは初めて見たのですが、あまりにも拙い歩き方で、しかも道路の中央に向かっていました。人に踏まれるか途中で行き倒れになるだろうと思ったので、すくって木のそばに置いておきました。それでも、木から離れようとするし、あまりにも要領が悪すぎて、大丈夫なのかなぁ…と不安に思いながらその場をあとにしました。



翌日、同じ場所に行ってみると…抜け殻が!よかった!たぶん昨日の彼です!▼

いっぱい飛んで鳴いて、ええ女抱けよーと思いました。



きっと彼は、こんな感じで美セミを口説き落としてヒーヒー言わせたことでしょう!▼