ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

Ron Hardyのedit物が正規リリース!

91年に他界し、今は天国から昨今のリエディットブームを見守っていると思われるRon Hardy。彼の甥が遊ぶ金欲しさに(このへん推測。両親の介護のためだったらごめんなさい。)彼のエディト集を、マスターテープから殿様価格(Vol.1が1950円でVol.2が2550円)でリリース!しかし時すでに遅く、シスコのオンラインショップではたちまち売り切れてて、「どうせ今聴いてもろくでもないに違いない」などと、D.T.の女叩きのような心境、心理学で言うところの防衛機制を張りまくることで、かろうじて心の平安を得ていたのですが、土曜日に店頭に行ったら普通に置いてたので、変わり身も早く「今聴いてもすごいなぁー」と素直にレジに持って行きました。
内容はというと、オープンリールのテープを切ったり貼ったりして作ったエディトで、「ハウスの黎明期に、すでにここまでディスコの解体が進んでいたのか!」と驚くばかりです。その昔、「AKAI(倒産しちゃってR.I.P.)の普及機S900により、フレーズをまるごとループさせる手法が…」などという、「サンプラーの登場によって音楽が変わった」的な言い回しが散見されており、若き日のぼくもポンと膝を打っていたわけですが、んなぁことはない、実際のところハウスの黎明期、サンプラーの力を借りずして、そこらへんのフォーマットはすでに確定していたっちゅう話。
今ならAbletonのLiveとかでサクッと30分くらいで作れそうなものなのですが、グルーヴごと団子状になってる音質とか、テープ貼る位置間違えてね?とつっこみたくなるギクシャク感が、価格納得感を演出してくれます。とにかく執拗にループさせてるNightlife Unlimitedの"Peeches & Prunes"のエディットを「いくら何でも強引!」って思いながら聞くのが好きです。しかし、これを初めて聞いた人はビックリしただろうなぁ…試聴はこちらで。