ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

はてな鍋奉行(4)

id:herecy8id:herecy8:20050516)さん、いろいろ参考になる情報、ありがとうございます。知らないことが多かったので参考になりました。


「「はてなの空気」ってそんなに現状『自作キーワード』に抑圧的だろうか?」というお話に関して、id:herecy8さんが指摘されている件もそうなのですが、もう一件あります。わたしは一部の鍋奉行の方のように、キーワードだけを見たりする習慣がなく、日記を通じてキーワードについて考えることくらいしかしていません。しかし、個人の経験として、キーワードに関係ない人(日記中でキーワードに出会ったとは思えない人)が、抑圧的な振る舞いをしているシーンを2度も目撃して「この人(たち)何者?」と思ったのが一連のエントリーをするきっかけになっています。


もう一件はid:anotherさんがむしろ抑圧される側に回っていました。id:anotherさんが「アンテー」という言葉を登録されたのですが、今ははてなにいらっしゃらないid:empireさん(名前と振る舞いが一致していたので笑ってしまいました)が、「いちいち一個人が提案した造語をキーワード化していくつもりですか。」とコメント書いて削除予定に回しました。「アンテー」というのは、ぼくが日記で使っていたら、何人かが言及してくれ、それを見たid:anotherさんが登録したのですが、id:empireさんが削除に回し、わたしでもid:anotherさんでもない第三者に拾われ、今もキーワードとしては残っています。


この件でわたしは「自薦キーワードや、個人的なキーワードは登録しない方が身のためだな」と感じたことを覚えています。たとえば、id:herecy8さんに教えていただいたリンクをいろいろ辿っていて見つけた「ハイテク生活雑貨」(個人サイト)のようなキーワードを登録するような度胸はわたしにはありません。


わたしの例のように、現在、一部の鍋奉行の動きが個人に内面化されていて、登録という行為に至らない「自粛」が多くなっているように思います。それは混乱を防ぐという意味で、いい面もあるかと思いますが、一件問題が起きていないように見えて、実は過剰な自粛が起きているのではないか、と思います。
納得ずくでの自粛なら構わないのですが、わたしの場合は「なんかうるさく言う人がいるから」という理由で、キーワードを登録するという行為自体を控えめにしているのが現状です。


で、その「抑圧する側」に回っているのかもしれない、id:anotherさん(id:another:20050515:1116132648)の動きは、少なくともわたしにとっては、「おもしろい」と思うときと「疑問である」と思うときと両方です。「通りすがり」という単語がキーワード化されていて、「これ登録した人誰だろう。センスいいじゃん」と思ったらid:anotherさんでした。「ハイテク生活雑貨」を削除から戻したのもid:anotherさんですね。アンテーの時も大胆だけど面白いなぁと思ったのですが、その一方で、「インディーズデビューすら果たしていない路上パフォーマーとかの登録は排除してやろうという「了見の狭い」意図」でガイドラインを修正されていらっしゃる。つまりid:anotherさんの中で、行動の基準にブレがあると思います。もちろん、個人の活動としてブレがあるのはむしろ自然だと思うのですが、万一それが「公共性」のもとで行われていたとしたら、それはちょっと困るかも、と思います。


わたしの考える「公共性」は、当事者である個人対個人の議論によって実現されるものであるというイメージです。一人の無関係なユーザーが「法の番人」のような(しかもその「法」の解釈は恣意的)振る舞いをすることで実現されるものではありません。1つのキーワードに関して実害を受けた、あるいは実益を感じる個人同士が議論(id:sugioさんのおっしゃる、削除合戦としての議論とはちがった意味で)することで、はじめて地に足のついた結論が出てくるのでないでしょうか。地に足がついていない(id:naka64さんのおっしゃる「空洞化」と同じ意味だと思います)から、利用規約やガイドラインの杓子定規な解釈に陥ってしまうのだと思います。そもそも杓子定規な解釈をしてほしくないという意図で、ヘルプに含みを持たせてあるのだと思いますし。


また、id:sugioさん(http://beta.g.hatena.ne.jp/sugio/20050514/p3)が、ガイドライン編集をされたときのお話を書いてくださっているのですが、いろいろ議論を積み重ねて解決に向かっているという話には納得しました。ただ、ガイドラインに関しては、一部を修正するというやり方では状況は変わりにくいように思います。少々変えても「トップダウンな掟としてのヘルプより、有志による(微妙に拘束力が発生しているように見える)ガイドラインの方が厳しい」という逆転した状況は変わらないのではないか、と思ったりもするので。これについては、今後、実際にわたしが日記を書く上で(超越的にキーワードについてふるまうのではなく)行動したいなぁと思っています。