読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

琵琶湖北岸・観音めぐり(1)

はてな寺社めぐり

<概要>10/23・24は「奥琵琶湖観音めぐりスタンプラリー」が開催され、普段は引きこもりがちな仏たちが一斉にご開帳するという祭りがある。一日で回りきるには多すぎなので、とりあえず、パンフレットを見て面白そうなものから見ていくことにした。ちなみにぼくにとってのスタンプラリーは御朱印帳集めなので、スタンプラリー自体はしなかった。高月駅の近くの旅館で自転車を借りてレッツゴー!

冷水寺
のっけから特殊仏の登場。ここの十一面観音菩薩座像は、別名「鞘仏」。もともとは8世紀に行基によって彫られた像*1が、賤ヶ岳の合戦で焼かれ、小さなお堂を作って安置していたのだが、ある日自動的にお堂の扉がパカーっと開いたことで、これは何とかせにゃあかん、という話になり、十一面観音菩薩座像(メイド・イン京都)を作り、上からかぶせた…ということで、普通の胎内仏と違い、胎内仏の形態を取りながら、「胎内仏の方が先に作られた」という特殊な状況にある。それを伝えたいということで、3畳くらいしかないけど胎内仏資料館が併設されている。朝だったからか、ぼくしかいない状況で、解説のおっちゃんは丁寧にマンツーマンの解説をしてくれた。(人がいっぱいのときに備えてマイクを用意していたらしいのだが、それをどうしても使いたかったらしく、ぼくしかいないのに、マイクを使用した解説…)

竹蓮寺
ここの観音は、当初は如来像として作られたらしいのだけど、どこかの寺にあったものが賤ヶ岳の合戦絡みで戦災から守るために土中に埋められたらしい。それが出てきて川に流されていたのが見つかり、この寺に置かれ祭られるようになった、が、その際、如来像→観音へと改造されるという数奇な運命をたどる。手が観音の手に取り付け直されてしまった、「無理矢理観音」というべき観音。ここでもマンツーマンの丁寧な解説をしてもらい、大満足。っていうか、おっちゃんの解説の言葉がわかりにくくて、滋賀と大阪でけっこう言葉が違うものだな、と思った。




正妙寺
湖北のあたりは、神仏習合の度合いが、ぼくの知っている限りだと類を見ないほど高くなっていて、鳥居をくぐってお堂に行く構造や、寺と神社の入り口は別々だが、中で一緒になっているものがほとんど。合戦で荒れすぎて、神仏分離令の影響を免れたのかもしれない。この寺も、日枝神社から入り、奥に登ったところにある。ここの観音は、ちょっと他では見られない「千手千足観音」。写真を見れば一目瞭然。しかも、観音らしい表情はまったくたたえていない。怒っているみたいだけど、像自体小さいこともあって笑える。

ここで今回同行するid:sainoliから着いたというメールが来たので高月駅に戻る。先日、「滋賀に行く」と言ったら「私も」という返事が来たので、「引きずり回してもOK」と拡大解釈するに至った。会ったことはなかったのだけど、挨拶らしきものもほとんどせず、レンタサイクルに乗れと指示、今回のツアーの概要を説明したのち、渡岸寺へと向かう。

渡岸寺
高月の寺でもっともメジャーで、この町のパンフレットで表紙に出ているのが、観音像では出色の出来といわれる十一面観音像。先月まで狭い(=間近で見られる)収蔵庫にあったのだが、新型収蔵庫建設のため、3年ほど観音堂に置かれることになった。実物は、写真で見るよりももっとスリムに見える。残念なことに、この十一面観音の見所の一つである、真後ろからの顔が見えない。残念に思い、写真を買うことにした。ここの寺で説明係は住職ではなくて観光協会か何かの人のようで、空気読まずに説明をされた。「はいはい説明始めますから座ってください」と、十一面観音に見入る我々を座らせ、説明を始めて2分後に次の職員が堂内に入ってきたため「ちょっと代わってんか。今説明始めたばっかりやから」と次のDJに交代。次のDJは「えーすんまへん。とりあえず最初から説明させていただきますわ」と、説明を最初からやり直し。十一面観音を、写真パネルを使って、室生寺のそれと比較していかに珍しいかイケてるかを説明するのだが、自分の弁舌に興奮してパネルをバシバシ叩きまくって説明し始める。HEY!ミスターDJ!仮にもそれは御仏の御影、信心のまったくない我々はいいけれど、DJたちは御仏のことをリスペクトしてるんやないの?と思いました。で、最後に、蛍光灯を新しく設置したという話をして、堂内の電気をつけたり消したりして、ミラーボールか何かと勘違いしているのかと思いました。明らかにフロアの客は十一面観音がちゃんと見たかったのに、パチパチつけたり消したりし、最後には消したままDJが放置したのでよく見えなくて、拝観者はドン引き。DJフロアの空気嫁!とぶつぶつ言いながら、ぼくは十一面観音グッズを大量に購入、同行したid:sainoliがドン引きだった。

高月町立観音の里資料館
この手の資料館は、企画の決裁のシステムがアバウトだと推測され、だいたい担当者の趣味が暴発しているものですが、ここもご多分に漏れず、思い切った展示内容で楽しめました。展示してある内容は、円空作の十一面観音(木彫りでものすごく荒削り)とか、神像など、観音の里と言われていながら神道の並々ならぬ影響が感じられ、とても興味深かったのですが、問題なのはこの高月町での祭りの解説。立体的に見てほしいというのはわかるのですが、マネキンが外人…これは圧倒的な違和感を醸し出しており、西川きよしの嫁はんのヘレンを思い出したりしました。

*1:本当に行基なの?とちょっと思うけど…逃した魚は大きい、的な