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ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

御朱印狩り〜奈良編(2)

はてな寺社めぐり

天王寺から、近鉄とJRを乗り継ぎ三輪に到着。何もない駅。世界遺産にしてもおかしくない大神神社の最寄り駅がこの有様。奈良は本当にさびれているなーと実感。ゆっくりできていいや。

大神神社
一般的にはよく知られているとは言いがたいが、神社仏閣の本を読むと必ず名前が挙がるのがこの神社。この神社には、ふつうの神社にあるはずの本殿がない。本殿にあたるのは、神社の後ろに控える三輪山で、山全体がご神体。アニミズムから始まった神道のありようがわかる。日本最初の神社というには、拝殿ががっしりしているが、これは後世に徳川家綱が作った。あんまりセンスが感じられなくてどうでもいいのだけれど、ただ、他の神社よりも拝殿が充実しているのは本殿がないせいだと思われ、神の見出し方の変遷が窺い知れるようで興味深い。三冊目の御朱印帳はここから始めようと決める。
狭井神社
大神神社の脇にある、大神神社の摂社。ここからご神体である三輪山に登れるという情報をキャッチ。三輪山に登るにはいろいろ掟があって、登るには狭井神社に住所と名前を登録、300円を払ってたすきを受け取って登る。三輪山では飲食一切禁止、滞在は3時間まで、写真撮影禁止、カメラ持ち込みも禁止ということで、荷物を全部預けてもらった。この神社、薬水があって有名らしいけど、急ぎすぎてスルーしたのが悔やまれる…
三輪山
標高467メートルと、高いわけではないけど、かといって楽に登れるわけでもない微妙な高さ。道中の大きめの岩や木には縄がかけてあり、これに神を見出せと迫られているような気分。樹齢800年クラスの巨木も見られるが、熊野古道よりもはるかに無造作で心ときめく。頂上付近になぜかよくわからない祠があって、さらに奥に進むとごつい岩が集まっている磐座(いわくら)がある。土曜日なのに、やっぱり人は少なく、9時に開山してぼくは3番目に到着。磐座には誰もいなくて、10分ばかりぼんやりする。当たり前だけどケーブルも何もなくて、ぼくも何も持ってなくて、物音もほとんどしない。ここに神を見出すのは難しいとは思ったが、ゆっくりできて来てよかったと思った。

ということで午前中の目的を達成し、神社から桜井駅までバスで行き、飛鳥へ向かった。飛鳥といえば当然レンタサイクル。

於美阿志(おみあし)神社
桧隈寺という、渡来人の東漢氏の氏寺の跡地に神社ができている。渡来人の祖先が神として祭られていることになるのだけれど、国家神道として見ると噴飯ものの神社かもしれない。ここの御朱印があればややこしくて面白いに違いないと思ったが、あいにく無人。京都ではこういうややこしい神社仏閣はなくて、奈良はやっぱり面白いなあ。で、いろいろ調べてみると、東漢氏の子孫に蝦夷征伐でお馴染みの坂上田村麻呂がいた。民族が入り乱れて血で血を洗う闘争だったんだろうか。
橘寺
もう飛鳥も慣れたもので、ここを左に曲がると亀石…そろそろ着くかな?という感じでスムーズな自転車さばき。昔、馬を留めていた場所に自転車を置き、曼珠沙華咲き乱れるあぜ道を通って橘寺に到着。聖徳太子ゆかりの寺で、古くからあるんだけど、聖徳太子伝説のうさんくささも備えていて楽しい。芙蓉が咲き誇っていて、どうやら一番いい季節に来たみたい。ちょうど半年前に来たばかりなので、写真はあんまり撮らなくて、目的の御朱印を首尾よくゲット。あと、納経がしたくなったのでセットを買う。家で写経して送付できる。でも字が汚いんだよな…御朱印が一段落したら、気に入ったお寺に寄進などしていこうかと思い始める。
川原寺跡
平安京遷都以降の奈良は容赦なくさびれ、この寺もほとんど跡が残っていないが、本堂だけは残っていて、御朱印ももらえる。本堂の横の家屋の軒先でテレビを見ているおばあさんと孫を発見し、「すみませーん拝観したいんですが」と言う。聞こえていなかったので、大きな声で言うも、まだ気づかない。超人的な耳の遠さだ…2メートルと離れていないのに…絶対御朱印はもらうからなという決意を込めて、超大声で「す み ま せ ん」と言うと、モグモグ食べながら住職登場。食事中なのに中断してお堂の中に入れてくれて説明してもらい、御朱印ももらった。
岡寺
龍蓋寺とも呼ばれていて、大規模ながらひっそりとしたたたずまいの寺。三重塔が最近再建されたが、史料にあんまり基づいてないっぽい。たしかに形が安定しすぎている気がする。ここの如意輪観音座像は、今調べてみると「もともとは右足を踏み下げた半跏像だったと思われますが、のちの修復により現在は切りつめられて坐像になっています。」とのこと。ちゃんと見ればよかった…すぐそばに「峠の茶屋」という、飛鳥近辺では珍しく有名な店があり、中に修学旅行生たちの色紙が所狭しと飾ってある。イラストも描いてあるのだけど、80年代後半と現在の画風の違いが面白い。
飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)
飛鳥寺の側にある。鳥形山という小さな山にあって、笑えるのが、男根を思わせる石がずらり並んでいる点。あと、力試しができる力石もあって、飛鳥寺に寄ることがあったらこちらも必須。首尾よく御朱印をゲト。
飛鳥寺
ここも塔やら何やら焼失して今は中金堂だけが残っている。住職によって、この寺が過去にどれくらい大きかったかが説明される。大仏の顔つきは、東大寺のそれとは明らかに違う大陸系。

ということで最終日はゆっくり目に過ごす。旅を始めたときには、まさか御朱印帳3冊目に突入するとは思わなかった。