ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

日記風に

今日は休日出勤で、昼を食べようとウェンディーズで並んでいたら、同じく出勤していたid:verdeがいて、久しぶりに話をした。昨日、コンタクトを新しいのにしようとしたら、瞳孔が開く変な目薬を差されてしまい、もしそんな目薬だったら最初に説明してくれたらさ、絶対断ったのに、とトレイを叩きながら彼女は言い、瞳孔が開いてるからこの白い抽選券がやたらまぶしくて、と言いながら、現金つかみ取りの抽選券を、誇らしげに、自分はこう見えても特別の権利を持っているんだ、と言わんばかりに、テーブルの上に広げた。券は四枚あり、彼女の話では、千円か五千円か一万円か、どの箱を抽選するかはその場で決まるが、いずれにせよ、かなり儲かるんじゃないか、と興奮していたが、よく見ると、その券には、三千円お買い上げで一回抽選と書いてあり、たかが三千円で現金のつかみ取りができるんだったら、きみのところの地域の人々は、この抽選会だけを収入にして暮らしていくことも可能なんじゃないか、何か話がおかしいよ、ということになった。ぼくは、もしかしたら箱の中にムカデが入っているんじゃないかと予想すると、彼女は、いや、箱の中では風が吹いていて、お札が飛んでいてつかみにくいんじゃないかと言い、絶対につかめないように、二つを合わせて、ムカデと一緒にお札が飛んでいるんじゃないか、という話になった。夏目漱石が、自分の顔の絵が入ったお札がムカデと一緒に箱の中をくるくる回っているところを見たらたぶん泣くだろうね、と笑い、もう一度券を見たら、右端にちょこんと五十円玉と十円玉の絵が載っていた。十円玉だったら、がんばれば二百三十円くらいになるんじゃないかとぼくは思った。