ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

尾道でいろいろ

尾道というと、千光寺と浄土寺が有名。前者は高台にあり、山に寄り添うようにして建っているところが美しくて興味深い。後者は聖徳太子が建てた(ありえない!いわゆるひとつの聖徳太子伝説)という伝説がそれなりに受け入れられる程度に古い寺であること。
他の寺はというと、日曜というのに人出はションボリ。しかし、こういうマイナーな寺は、ガードが甘々だから、有名神社&仏閣では見られなかった風景も見られる。
たとえばこの地域では中堅クラスの天寧寺は、塔と、羅漢堂の五百羅漢がウリになっている。塔は、もともと五重塔だったのが、焼けてからは上二層を取り去り三重塔にしたという、なんともいい加減な塔で、たしかに言われてみれば、重心が低いような気がしてならない。しかもガードが甘く、塔の一層部分には近寄れて、隙間からいろいろ撮影できた。一応、卒塔婆のつくりについては図面など持っているのだが、実際のものを見たのは初めてで面白かった。ちなみに浄土寺にも塔があるが、全然近くに寄れない。当然このガードの堅さが宗教的神秘性に直結し、支持につながるのだと思う。
同様に、五百羅漢も、人がいなくて写真撮り放題だった。写真参照。


また、ロープウェイの下には艮(うしとら)神社があるのだけれど、ヤンキーくさいガイドに導かれながら、眼下にこの神社を見ながら千光寺に向かう形になっていて、面白いというか、なんというか、この神社、あまりにもないがしろにされすぎ。
鳥居から本殿の間には、転落防止用のネットが張ってあり見通しが悪いし、それなりに豪華な大社造の本殿よりも高い位置にロープが張ってあり、高い場所に神を祭っている意味が完全に骨抜きになっている。すでに神への信仰などないに等しい。


さらにひどいのは、「古寺めぐりコース」から外れている寺。
なかには、ほとんどゴミ捨て場になっている寺があって驚いた。
廃仏毀釈で滅びた寺は多くて、大変だなぁと思うが、この寺はそういう問題ではなくて、多くある尾道の寺の中で、客寄せに失敗したと思われる。