ココロ社

主著は『モテる小説』『忍耐力養成ドリル』『マイナス思考法講座』です。連絡先はkokoroshaアットマークkitty.jp

モテない人も、恋愛をプロジェクトとして考えればうまくいく

こんにちは。
去年、「恋愛の本を書いてください!」と言われて、どさくさに紛れて、小説を書きたかったので小説としての企画書を作ったら通ってしまい、阪急コミュニケーションズさんの懐の深さに感激しました。できたのがこの『モテる小説』です。本日より絶賛発売中です。


チャレンジングな表紙やねー。中身はもっとチャレンジングやけども……。
この本は、ビジネス書の手法を使って書かれた「役に立つ恋愛小説」であり、「ロマンを一切排除した恋愛小説」であり、つまり無茶苦茶な本です。今回は、恋愛をロマンチックなものと誤認するから恋愛がうまくいかないのであって、単純にプロジェクトとして考えたらうまくいく、という話をさせていただきたいと思います。


恋愛というのは、人間の活動において聖域のような扱いを受けていますが、もはやこの世に聖域などありません。たとえば神聖ニシテ侵スベカラズだったはずの皇室についても、エレガンス子さまとレギュレーション子さまの確執が報道されるような時代です。恋愛だけがロマンチックでテクニックとは関係ないピュアな魂の交歓であるかのような考え方は時代遅れにほかなりません。


……といっても何のことかわからんと思うので、実際、恋愛を仕事に置き換えつつ、モテるための重要なポイントを、やるべき順に3つのステップに絞ったので、お試しいただければ幸甚です。

(1)自分のセールスポイントを把握する

「どうせ自分は魅力がないから」とあきらめる人がいますが、それは仕事に置きかえると、「つまらない商品だから」といってセールスをやめるのと同じです。売れないものがあったとして、売るのをあきらたらボーナスがなかったり、最悪の場合職をなくしたりしますよね。ノーマルなサラリーマンなら、売れないなりにセールスポイントを見つけたり、ほかに何かつけたり、売れる商品を作ってくれと開発担当に訴えたりするもので、恋愛も、いまの自分のよいところを何とか見つけて売っていくしかありません。他にないものがなくても、他にあんまりないもの、くらいでも商品は売れます。よいところがまったくないなら、よいところを作れば大丈夫です。

(2)自分を売りこむ

「出会いがないんだよねー」と待っているだけの人がいますが、それは仕事に置きかえると、広告を出さずに「うちの商品売れないんだよね」と嘆いているのと同じです。このようなビジネスのスタイルを、一般的には「殿様商売」と呼びます。
「出会いがない」と嘆く人は多いです。そんな人も、昼間は普通に仕事をしていて、担当しているもので売れない商品があれば、広告を出す、広告で言う内容を変える、アプローチする対象を変えるなどしますよね。ビジネスにおいて、待つという行為はほとんど職務放棄に等しいのと同様、恋愛において「待つ」という行為は「恋愛したくない」という宣言と同じです。どうしても前に出る勇気がない場合、やむを得ず待つことになるかもしれませんが、それにしてもふつうに売り込むより何倍もの知性が必要になります。

(3)ダメならすぐあきらめて次に行く

同じ人に片想いをしつづけていることは、仕事に置きかえてみると、購入意欲のない客に物を売り続けるのと同じです。
片想いをしていると、えてしてその期間の長さを説得材料としてしまいがちですが、仕事に置きかえてみると、購入しないという態度決定をしたお客さんを説得し続けても何も得られないことは周知の事実ですよね。ふつうは見込みのある次のお客さんを探します。恋愛が何か特別な活動であるという思いこみから目が曇ってしまっているのです。
もちろん、ダメだった場合、何がダメだったかをまとめてから、次の(自分自身の)販売計画を考え、淡々と実行していけばいいのです。仕事ならそうしていますよね。


結局モテるかどうかというのはほとんどが営業力の問題だと思います。
到底モテることなどないだろうという犯罪者に過去に奥さんがいたりして、投獄されてもしぶとく獄中結婚したりしていることがあり、なんでやねん的な気分になることがありますが、つまりこれは、上記の3つを無意識に実行しているからです。「心優しいが内気だ」という人は、よい商品だが広告を出していないのと同じです。「せっかくいい商品なんだから広告くらい出したら?」と思いますよね。


読むだけで彼女ができる モテる小説

読むだけで彼女ができる モテる小説

「恋愛はロマンではない」と訴える小説(ロマン)というのも、なんだかねじれた企画ですが、まったくロマンチックでないが小説として成立する恋愛小説、というのを書いてみたいと思っていたので満足しています。
買ってとまでは言いませんが、本屋で見かけたら立ち読みでもしてみてください。冒頭などは読んでいるだけで居心地が悪くなるのでおすすめです。